コラム

38.外国人は信用できない《2021年》

『羹に懲りて膾を吹く』というように、一度嫌な経験をすると、前の失敗にこりて必要以上の用心をしてしまうものです。

外国人の技能実習生を期待を込めて採用したのに、「途中で逃げ出した」、「全く仕事が出来なかった」、等々の苦い思い出話をする中小企業の社長さんが良くいます。よっぽどイヤな思い出なのでしょう、発展途上国から来る外国人全員がその「色」に見えてしまうようです。それ以降、外国人を信用しない。

でも、日本人従業員でも「そんな人」はいたはずです。ただ忘れているだけです。そして、そんな悪い経験があったからと言って「日本人は!」などとは言わないはずです。

私たちは、聖人君子にはなりたいと思っても、実際には全員が不完全です。ですから、区別や差別がいけないとは思っても、実は心の中にその意識が存在しているものです。ですから、まずはそれを認めることから始めなくてはなりません。

そして、自分には心の中に『色眼鏡』がある。だから、気を付けなくてはならないと常々、自分自身に言い聞かせることが大切です。『色眼鏡』を通して見ると、正しい色が分からないものです。ましてや外国人ともなると、コミュニケーションがうまくとれないこともあって、色だけでなく「歪んで」さえ見えてしまいます。

私の友人に、あれだけ毛嫌いしていた外国人と結婚をした人がいます。そして、とても幸せな家庭を築いています。『色眼鏡』と『乱視鏡』さえ外せば、本当の人柄を見ることができるという証明だと思っています。

外国人なんて、「十把一絡げ」の表現自体を使わないようにすれば、『色眼鏡』を外すことは出来なくても、徐々に色が薄くなっていくことでしょう。