同質化の危機
結婚相手や、友人は『気の合った人』でないと疲れます。
お互いに同じ興味を持ち、同じ趣味があると話は弾みますが、段々とこじん
まりとした世界になっていきます。他の世界と交わらないからです。
組織にとって『気の合った人』だけが集まると、その分野では特出るような
仕事ができますが、市場環境が変化した途端、同じようなことしか考えるこ
とができない組織は新しいことを考える力がないため、脆さが表に出てきま
す。
極端に言うと、生存力を高めるためには、リーダーは空気感を共有しない
『KYな人財』を定期的に取り込み、あえて場を乱すような工夫をする必要
があります。ワクチンと同じです。
どんなに優れた映画監督でも、飽きられるときが来ます。どんなに素晴らし
い俳優でも、時代と共に廃れていきます。そうならないようにするためには、
プロデューサーが常に「新しい血」を組織に取り込むように意識することが
重要です。もちろん、当たりはずれはあるでしょう。しかし、はずれても、
次、次を準備して育てていくことが新陳代謝を高め、環境に適応するビジネ
スに繋がっていくものです。
つまり、リーダーには『器の大きさ』が求められます。その人に、反抗的な
面や、気に食わないところ、考え方の違いがあったにしても、異質なエネル
ギーを持つ人を、リーダーの器の中に収めることです。
高度外国人財を活用することを決めた企業にとっては、この『器の大きさ』
が求められることを忘れないようにして欲しいと思います。
島崎ふみひこ
異文化コミュニケーション研究所(R)
日本企業のダイバーシティ教育、高度外国人財の採用・活用