コラム

5.日本語上手になりたい!《2022》

テレビを見ている最中に声を掛けられて、俳優の言葉を聞き逃してしまったことってありませんか?

これって、結構ストレスですよね。

また会議で外国人同士が英語で議論しているのに、何を話しているのか分からず、次第に(集中が途切れて)聞く気にもならず、ぼ~としてしまう…。でも、知ったかぶりをしてうなずく。

これって、本当に「虚しい」ですよね。

そんなストレスや虚しさを感じながら働くのが外国人従業員の皆さんです。

彼らが「大切な一言」を聞き逃したり、理解できなかったために、ミスを犯してしまう可能性があることを、外国人従業員を採用する側は常に意識しておく必要があります。

それでは、「日本語教育を外部にお願いして….」と考えるのが一般的ですが、問題を解決できるようになるには、かなりの努力と時間が必要です。つまり、即解決とはなりません。

その聞き逃した「大切な一言」が何か分かれば、補完もできるのですが、それを把握することは通常とても難しいものです。ですから、伝わらないことを前提にコミュニケーションをする訓練が重要になります。

ポイントは、指示内容を分解し、重要度の高い順に伝えることです。

そして、行間には穴が潜んでいることを覚悟することです。

とあるレストランで、お客様のテーブルに4つのワイングラスを運ぶように指示を受けた外国人ウェートレスがいました。マネージャーは、当然お盆を使って持っていくものだと思っていたら、な、なんと彼女はグラスの上から指を突っ込んでお客様の前に置いたそうです。

それが汚い、失礼な行為だとは知らなかったのでしょう。それが行間の穴です。的確に指示をしたつもりでも、文化や経験、知識の違いによって想像も付かないトラブルが発生します。

もちろん外国人に対して、継続的な日本語教育は重要ですが、仕事で直ぐに役立てるようにするためには、本人たちよりも、指示をする日本人側がコツをつかむことがより効果的です。