第30回年次大会『日本企業における高度外国人活用の現状と解決策』
2,「『日本企業における高度外国人活用の現状と解決策』発表」
勉強会・セミナー等2015年
日時 : 2015年9月19日(土) 20日(日)
場所 : 桜美林大学(町田キャンパス)
人財難。そして、TPP等による市場環境の激変に立ち向かうため、高度外国人の採用が日本企業で俄然注目を集めています。しかし、優秀な人財であっても、異文化の人材を日本企業が十分に活用できているかというと疑問符が付きます。また適性を見極めるのが難しいのも、異文化の人材です。
とりあえず日本語が堪能なら採用する…、それが現実です。明確に求める人物像を持たずに異文化の高度外国人を採用すれば、企業も採用された高度外国人も、残念な結果を生みやすい。また高度外国人を採用する企業内も、意外に経営幹部と現場で採用に関してズレが生じていることが多い。このように現状を見ると、高度外国人の採用には、さまざまな課題があります。
異文化で育った高度外国人を「日本規格」に無理に合わせようとしてもうまくいきませんが、それをやってしまうのが「日本企業」です。やるべきことは「日本企業」と高度外国人の『ベクトル』を合わせ「共感」しあうことです。job descriptionのあるのが当たり前の外資系企業、それに対して日本企業はwork commitmentを従業員に求める文化です。グローバルスタンダードの名前において、日本の文化を放棄する必要はありませんが、何らかの方策がいります。
また、折角異文化で育った優秀な人財を、わざわざ「日本人化」して使うのはもったいない。一番美味しいところを捨ててしまうようなものです。新しい視点で現状を見つめることのできる目を持っている高度外国人をどうやって使うべきか、日本企業は知恵を絞り、新たなチャレンジをしなくてはなりません。日本人だけで行う事業よりも、異文化の高度外国人と築き上げる事業は、大きな成果を生み出す可能性を秘めている。ある種の化学反応が起こり、日本人従業員の意識が覚醒されるからです。ただ、それには危険性も秘めている。難しいコントロールが経営陣には求められます。
さまざまな企業における当研究所の実践経験基づき、日本企業の体幹強化と体質改善、並びに高度外国人の人財教育の手法をまとめたGFA(Globalforce Adaptability)プログラムの概要をご紹介し、日本企業の高度外国人人財の活用への参考として発表致しました。