アンケート結果に惑わされるな!
お客様の声はとても大切です。お客様が満足し、喜んでくれることでビジネ
スは成立するからです。
もしも「二度とこんな店には来ない!」と言われたら、皆さん誰しも「何が
あったのか?」と原因追及をすることでしょう。そうやって、一つ、一つ
「✖」を消していくことに対して、どこの会社もとても真摯に行っています。
でも、お客様が満足し、喜んでくれる「ポイント」を理解することはとても
難しい。
お得意様の「このお店は品揃えが良いから来るのよ…」という言葉を信じて、
品揃えだけを充実していたのに、いつの間にか来店されなくなってしまった…。
久々に来店されたお客様に、何かあったか尋ねたところ、「あの店員さん辞
めちゃったでしょ、それから誰も私の好みに合わせたコーディネートできる
人がいなくてね…。」との返事。
つまり、お得意様は「品揃えが充実している」からこの店が好きと話してい
ましたが、実は「あの店員」のファンだったことにお客様自身も《気が付い
ていなかった》のです。
お客様は、「好き」「嫌い」という感情を示してはくれますが、それがどん
な《理由》なのか、実は明確に認識できていないものです。
考えてみれば、私たちも相性の良い人の《どこ》に、その相性の良さを感じ
ているのか分かっているようで分かっていないのと同じです。
つまり、お客様に○×、選択、記載のどの方式でアンケートをとっても、お
客様の満足の《ツボ》など分かるなんて思わないことです。もちろん、やら
ないよりやった方が、お店がお客様に一生懸命サービスしたいという気持ち
が伝わるので良いのですが、絶対にアンケート結果だけで、サービス内容や
レベルの変更を行わないことです。
お客様にとっての満足のいく《ツボ》、「あの店員さん」が何なのか、それ
をいつも考え、常に新たなことを試し、常に今まで行って来たことに磨きを
掛ける、お客様から反応がないからと言って安易に「お客様は求めていない」
と今まで行って来たことを止めてはなりません。
大切なのは、一人、一人の従業員が、お客様に常に感謝をし、常に何かして
あげたい、何か足りていないか考え、気が付いたことはお客様より「先回り」
して支度をすることです。
島崎ふみひこ
異文化コミュニケーション研究所(R)
日本企業のダイバーシティ教育、高度外国人財の採用・活用