企業秘密
大河ドラマや、時代劇を見ているとよく《忍び》という存在が出てきます。
極端になると【忍者】のようなアクロバット的な戦闘員をイメージしがちで
すが、戦国時代の《諜報員》といった方がイメージ的には正しいと思います。
近代の《諜報員》は、人とは限りません。コンピュータ・ウィルスのように、
情報を「ダダ洩れ」させたり、「破壊」したりするものも現れています。
そして人的交流は国境を越え、留学生は世界中にいます。その留学生が、外
国の企業に入社(潜入?)、「スパイ活動」される…といったことを危惧し
ている方もいらっしゃいます。
その可能性をゼロにすることはできません。ただそれは、戦国時代で言えば
「内通者」、つまり日本人であっても起こり得ることです。
従業員を信用できないというのは、悲しいものです。でも、いつ寝首を搔か
れるか、いつ毒を盛られるかわからない戦国時代に比べれば、マシなもので
す。
カメラを付ける、PCの履歴を取る、等々で対策をとっても、100%情報漏洩
を防ぐことは難しいでしょう。もちろん、できるだけの施策は講じるべきで
すが…。
確信犯、不可抗力、事故
上記の内、確信犯と事故は場合によっては防ぎようがないのかもしれません
が、【気の迷い】による《不可抗力》は防げます。
人は誰しも、ちょっとしたことで【気の迷い】を起こしてしまうものです。
特に外国人の場合には、さまざまな誘惑、不安、疑念、失望、寂しさが襲っ
てきます。それが【気の迷い】を生んでしまいます。
きっかけは些細なことです、それを丁寧に取り除くことが大切です。
武田信玄の有名な言葉に
『人は城、人は石垣、人は堀、情けは味方、仇は敵なり』
がありますが、どこにも部下を「疑え」という言葉はありません。
皆様の会社も、部下に【気の迷い】を起こさせないように、一人一人の
従業員に「心遣い」をすることを忘れないようにすることが重要です。
島崎ふみひこ
異文化コミュニケーション研究所(R)
日本企業のダイバーシティ教育、高度外国人財の採用・活用