異文化コミュニケーション的交渉術(蚊帳の外)
どうしても日本人は意見を「人前で言う」ことに慣れていません。
その反面、外国人留学生たちは、我先にと自分の意見を言いたがります。
そうです、日本人は外国人との会話では突然《貝》の中に閉じこもります。
これは言語の問題ではありません。
悲しくなるのは「日本語」で話していても同じだということです。
とある日本語での会議で、フランス人とインド人は、唾を飛ばしながら
発言しているのにも関わらず、日本人はやはり《貝》の中でした。
これってきっと困らないからなのでしょう。賛成か反対かに挙手すれば
意志は伝わると思っているのかもしれません。
もしくは、意見を言えば、反対意見で攻められる可能性があり、それが
イヤなのかもしれません。
しかし、いずれにせよ「存在感」がないのですから『蚊帳の外』です。
『蚊帳の外』とは、蚊がたくさん飛んでいる場所です。つまり守られて
いない場所ということです。
外国のA社とB社、そして日本のC社で物事を決める際に、C社が『蚊帳の
外』にいればC社の利権をいいようにA社とB社で決められてしまいます。
最後に反対の意志を示しても、多数決で否決です。
これは普段の生活の中で、野菜や果物を分け合うときと同じです。
余りものには福はありません。
そうそう人間の性格は変わるものではありませんが、この事実を理解した
ら、「別人格」を懐刀として持っておくことが必要だと考えてください。
以前も書きましたが、言葉で思考は変わります。日本語ではなく、英語で
思考を持つようにして下さい。
え!また英語かよ…。
と考える方もいるかもしれませんが、日本語を使ったままで「別人格」を
自分の中に作ることの方がよっぽど大変です。
プロレスラーが、覆面を被ると、まったく違ったキャラクターになるのと
同じです。是非、英語をベースにした「別人格」で、『蚊帳の中』に入る
ようにしましょう。
島崎ふみひこ
異文化コミュニケーション研究所(R)
日本企業のダイバーシティ教育、高度外国人財の採用・活用