お姫様の救出
西欧人の幼い子供たちのヒーローは、孤高のお城に監禁されているお姫様を
救出する「勇敢な騎士」です。お城には、怖い魔物やドラゴンが住んでいる
想定です。当たり前ですが、その騎士は、勇敢に戦いその魔物(ドラゴン)を
滅ぼし(殺し)て、お姫様を救出します。
日本のおとぎ話「桃太郎」は、村人を苦しめる鬼を退治して、金銀財宝をお
じいさん、おばあさんに持って帰ってやはりハッピーエンドで終わります。
(鬼は二度と悪いことはしません、約束することで許されます。)
さて、この違い分かりますか?
魔物(ドラゴン)は滅ぼし(殺し)
鬼は退治する
です。
退治とは、退(しりぞ)いて治す(なおす)です。そのため、鬼を改心させ、
決して滅ぼし(殺し)たりしません。
日本人的な考え方では、どんなに悪い輩でも退治です。好ましくない事態を
退き、相手が改心さえすれば、受け入れるということなのでしょう。
さらに、将棋とチェスの違いでも、相手の駒を自分の駒として利用できる将
棋は、改心さえすれば戦においても仲間に入れるという寛容な心がベースに
あるのだと思います。
これらの違いは、グローバルにさまざまな文化の人とやり取りする際に覚え
ておく必要があります。
こちらがいくら寛容であったとしても、相手が負ければ「滅ぼされる」とい
う危機感を持って交渉をしていたとしたら、永遠に妥協点を見いだすことが
できないからです。
また、日本では滅ぼした敵を神様として崇めるという、とても不可思議な慣
習があります。
平将門は、御首神社、築土神社、神田明神、国王神社に祭られていますし、
大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)は、国譲りをしたことで、出雲大社
に祭られています。
これらの日本文化は、誇るべき文化です。是非、外国の人に日本の文化を紹
介する際に、このことを忘れずに話してあげて下さい。きっとより敬意と尊
敬を持ってもらえると思います。また、摩擦を軽減できます。
異文化コミュニケーション研究所(R)
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