お知らせ

日本的パターンのない外国人(面接)

何百人もの留学生たちと面談のシミュレーションをして感じたことがありま

す。それは、彼らにはパターンという習慣がないということです。

日本人の学生と面談をすると、一回目は「とんでもない自己紹介」と、「と

んでもない返事」をするのですが、どんなやり取りをしたらよいかの基本

(パターン)を説明すると、二回目には、面接官の質問の意図を理解し、下

手くそではありますがきちんと「パターンのレール」の上を走ることができ

ます。

でも、外国人留学生たちの場合には、全く異なってきます。
一回目は日本人同様に「とんでもない」状態で変わりません。二回目は、日

本人よりも詳しく面接の意図、目的、意味、そして基本(パターン)を説明

した後面接をします。でも彼らは「パターンのレール」の上を走ることがで

きず、面接官を落胆させてしまいます。

これは特に、日本語がまだ上手ではない留学生に多い傾向があります。それ

では、英語でやってみれば良くできるかというと、それでもできません。

その理由は、日本語で考える思考を持たないと、日本人面接官が求めている

「パターン」を本当の意味で理解できないからです。たぶん日本語という言

語が、その思考そのものを導くからだと考えられます。

私たちの日本語は、直接意志を伝えず婉曲的に質問をします。そのため、直

接的にしか物事を考えられないレベルの外国人(日本語がまだあまりできない

人)の場合には、本来の質問の意図が分からず、「なんでそんな質問をするの

だろう?」と思いつつ「直球」で返してしまいます。「直球」など求めてい

ない面接官の心の中は「その返事じゃ、私が知りたいことが伝わってこない

じゃないか?!」となってしまうわけです。

ただ、これは面接官側にも大きな問題があります。日本語的な思考回路を持

っていない外国人に対して、日本語的な思考しか持っていない面接官は、欲

しい情報を取り出すノウハウを知らない、それが問題です。

そのため、結果的に相手の資質をチェックできず、とりあえず大学の成績だ

けで採用したり、逆に能力や才能があってもそれを推し量る器量が面接側に

ないために、目の前の「金の卵を産む鶏」を野に放ってしまっています。

質問の仕方自体を考える必要があります。

日本人の場合には、求めたいDを相手は初めから理解してきちんとロジック

を組みます。
  例) A⇒B⇒C⇒D

しかし外国人にはそのロジックがないため、面接官は全く異なった質問をす

べきです。いくつかの対処方法がありますが、最も効果的なのが、求めたい

回答を逆に説明させることで、相手の思考を推し量ることです。

たとえば、面接官がDを示して、相手がきれいなロジックを展開できるか調

べることです。

 《私たちの会社は「D」タイプの人しか採用しない予定だ、
  君はそれにマッチする人材か「C←B←A」を説明してください。》


目の前にいる「金の卵を産む鶏」を野に放ってしまわないようにしましょう。

異文化コミュニケーション研究所(R)
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