「叱ったつもりが、信頼を失っていた」
― 高度外国人財の“叱り方・注意の仕方”における失敗事例 ―
海外事業の拡大を目指すF社は、高度外国人財を中途採用しました。
専門性も高く、日本語での業務コミュニケーションにも問題はありません。
しかし、入社から数か月後、上司は強い違和感を覚えます。
「同じミスを繰り返す」
「注意しても、行動が変わらない」
ある日、上司は日本人部下と同じ感覚で、こう伝えました。
「前にも言ったよね?」
「社会人として、これは常識でしょう」
叱責の後、外国人社員は静かにうなずきました。
上司は「伝わった」と思いました。
しかしその後、
- 自分から意見を言わなくなる
- 報連相が減る
- 表情が硬くなる
といった変化が現れます。
実は本人は、こう感じていました。
「人格を否定されたように感じた」
「何をどう直せばいいのか分からない」
「これ以上、話すのが怖い」
日本では、
「察して反省する」
「空気を読んで改善する」
ことが期待されがちです。
しかし多くの高度外国人財にとって、
“叱る=関係性が壊れるサイン”
と受け取られることがあります。
F社が後に気づいたのは、
叱り方の問題ではなく、
“注意の前提”が共有されていなかったという事実でした。
その後F社では、
- 人格ではなく「行動」だけを指摘する
- なぜ問題なのかを論理的に説明する
- 次に取るべき具体行動を必ず示す
という形に切り替えました。
すると、同じ外国人社員は
自ら改善案を出し、
以前よりも積極的にコミュニケーションを取るようになったのです。
《今回のポイント》
- 日本的な叱責は、外国人財には「人格否定」に聞こえることがある
- 叱ることより、「どう伝えるか」が重要
- 注意は必ず「具体行動」と「次の期待」をセットで伝える
異文化コミュニケーション研究所(R)は、「国費外国人留学生の紹介」、「グローバル人財の採用・活用に関するコンサルティング」のスペシャリストです。