「評価が変われば、活躍が変わる」高度外国人財の力を引き出した評価制度改革の話
「優秀なはずなのに、なぜ評価が伸びないのか?」
高度外国人財を採用した企業から、こうした声を聞くことは少なくありません。
スキルも高く、意欲もある。それにもかかわらず、評価が低迷し、本人のモチベーションも徐々に下がっていく――。
その背景には、「評価制度そのもの」が合っていない可能性があります。
関西に本社を置くあるメーカー企業では、まさにこの問題に直面していました。
同社は海外事業強化のため、中国出身のマーケティング人材・王さんを採用。
分析力と提案力に優れ、前職では新規市場開拓で成果を上げていた実績のある人材でした。
入社当初、現場の期待は非常に高いものでした。
しかし、半年後の評価は「B評価」。
理由は「周囲との連携がやや弱い」「組織への貢献が見えにくい」というものでした。
王さん自身は大きなショックを受けます。
「具体的な成果を出しているのに、なぜ評価されないのか」
実際、王さんは海外市場の調査レポートを作成し、新たな販売チャネルの提案も行っていました。
しかし、そのプロセスが“見えにくい形”で進んでいたため、上司や周囲には十分に伝わっていなかったのです。
一方、上司側にも戸惑いがありました。
「個人としては優秀だが、チームとしての動きが見えない」
「何をしているのか把握しづらい」
つまり、問題は能力ではなく、「評価の基準」と「可視化の仕組み」にあったのです。
この状況を受けて、人事部は評価制度の見直しに着手しました。
まず行ったのは、「評価基準の言語化」です。
これまで曖昧だった「貢献」や「主体性」といった項目を、具体的な行動・成果レベルに分解しました。
例えば、
- 「主体性」→ 自ら提案し、関係者を巻き込みながら実行したか
- 「貢献」→ 組織や事業にどのようなインパクトを与えたか
さらに、「プロセスの見える化」も導入。
定期的な1on1ミーティングで、進行中の業務内容・意図・課題を共有する仕組みを作りました。
そして重要だったのが、「成果の定義をすり合わせること」でした。
何をもって“成果”とするのかを、本人と上司の間で事前に合意するようにしたのです。
この変化は、王さんに大きな影響を与えました。
自分の仕事がどのように評価されるのかが明確になり、
どのように動けば評価につながるのかが理解できるようになったのです。
その結果、王さんは積極的に進捗共有を行い、他部署との連携も自ら働きかけるようになりました。
半年後の評価では「A評価」を獲得。新規市場プロジェクトのリーダーにも抜擢されました。
さらに興味深いのは、この評価制度改革が日本人社員にも好影響を与えたことです。
これまで曖昧だった評価基準が明確になったことで、
「何をすれば評価されるのか」が全社員にとって分かりやすくなりました。
その結果、主体的な行動が増え、組織全体のパフォーマンスも向上したのです。
この事例が示しているのは、評価制度は「測るための仕組み」ではなく、「行動を導く仕組み」であるということです。
高度外国人財にとって、評価の透明性と納得感は極めて重要です。
曖昧な基準ではなく、明確で再現性のある評価設計があってこそ、彼らの力は最大限に発揮されます。
そしてそれは、外国人材だけでなく、すべての社員にとって価値のある変革になります。
「評価が変われば、行動が変わる」
その視点が、これからの組織づくりの鍵になるのではないでしょうか。
《今回のポイント》
- 評価のズレは能力ではなく「基準の曖昧さ」から生まれる
- 評価項目は具体的な行動・成果レベルまで言語化する必要がある
- プロセスの見える化が正しい評価につながる
- 成果の定義を事前に合意することが重要
- 評価制度の改善は組織全体の生産性向上にもつながる
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スペイン 慶應義塾大学 大学院 修士:理工学研究科(JEMARO/ロボティクス)
【前回参加者のバックグラウンド】
主要大学: 東京大学、東京科学大学(旧東工大)、早稲田大学、慶應義塾大学、横浜国立大学、電気通信大学 ほか
学位: 博士課程・修士課程の院生が中心
専門分野: 機械工学、情報理工(AI・IT)、材料科学、数学、公共政策など
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