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「叱ったつもりが関係悪化に」—伝え方を変えて信頼を築いた成功事例

「きちんと注意しただけなのに、関係がぎくしゃくしてしまった」

高度外国人財を受け入れる企業で、意外と多いのがこの問題です。

あるIT企業では、日本語中級レベルの外国人エンジニアを採用しました。
技術力は高く、仕事も真面目。しかし、納期遅れや報告不足が続き、上司は改善の必要性を感じていました。

そこで上司は、日本人社員と同じように指導を行います。

「なんで報告しないの?」
「普通はこうするよね」
「次は気をつけて」

一見すると、強すぎる言い方ではありません。
しかし、その後、明らかな変化が起きました。

本人の発言が減り、会議でも消極的に。
報告は増えたものの、最低限のみ。
以前のような積極性が見られなくなったのです。

上司は「反省しているのだろう」と考えていました。
しかし実際には、本人はこう感じていました。

「強く否定されたと感じた」
「自分は期待されていないのではないか」
「これ以上ミスしないように、目立たないようにしよう」

つまり、「改善のための指導」が、
「関係性の低下」と「主体性の低下」を招いていたのです。

この状況を受けて、企業は指導方法を見直しました。

まず取り組んだのは、「事実と評価を分ける」こと。

「報告がなかった」という事実と、
「それは問題だ」という評価を切り分けて伝えるようにしました。

次に、「目的の共有」です。

「なぜ報告が必要なのか」
「チームにどんな影響があるのか」
を丁寧に説明しました。

さらに、「改善期待の明確化」

「次からは〇〇のタイミングで一言共有してほしい」
と、具体的な行動レベルで伝えるようにしました。

そして最も重要だったのが、「関係性の維持」です。

指摘の後には必ず、
「あなたの技術は評価している」
「期待しているからこそ伝えている」
といったメッセージを添えました。

この変化により、状況は大きく改善します。

本人は徐々に安心して発言できるようになり、
報告の質も向上。
自ら改善提案を出すまでに変化しました。

上司もまた気づきます。

「伝えたつもり」ではなく、
「どう受け取られるか」までがコミュニケーションであると。

この事例が示しているのは、叱ること自体が問題ではないということです。

問題は、「伝え方の設計」です。

文化や言語が異なる環境では、
同じ言葉でも受け取り方が大きく変わります。

だからこそ必要なのは、
・事実と評価を分ける
・目的を共有する
・行動レベルで伝える
・関係性を守る

という基本の徹底です。

「厳しく言うかどうか」ではなく、
「伝わる形になっているか」。

この視点が、組織の信頼関係と成果を大きく左右します。


《今回のポイント》

  • 注意は「伝え方」で結果が大きく変わる
  • 事実と評価を分けることが重要
  • 目的を共有すると納得感が生まれる
  • 行動レベルで具体的に伝える
  • 信頼関係を守ることが成果につながる

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アメリカ  東京科学大学 大学院 修士:物質理工学院(材料科学)
スペイン  慶應義塾大学 大学院 修士:理工学研究科(JEMARO/ロボティクス)
【前回参加者のバックグラウンド】
主要大学: 東京大学、東京科学大学(旧東工大)、早稲田大学、慶應義塾大学、横浜国立大学、電気通信大学 ほか
学位: 博士課程・修士課程の院生が中心
専門分野: 機械工学、情報理工(AI・IT)、材料科学、数学、公共政策など
お問い合わせお待ちしております。


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