「背中を見て学べ」は通用しない
― 高度外国人財の教育で起きた静かな失敗 ―
「日本企業のやり方を覚えてほしい」
地方の老舗メーカーD社。
初めて高度外国人財を採用しました。
南アジア出身、理工系修士修了。
研究開発職として大きな期待を背負っての入社です。
配属初日、上司はこう言いました。
「まずは先輩の仕事を見て覚えてください。」
特別な研修はなし。
マニュアルも最低限。
OJT中心の育成方針でした。
3か月後
彼はミスを繰り返していました。
・報告のタイミングが遅い
・資料のフォーマットが違う
・社内稟議の流れを理解していない
上司は言いました。
「どうして何度言っても直らないんだ?」
しかし彼は、こう感じていました。
「何が正解なのか、最初から教わっていない。」
問題は“能力”ではなかった
D社では長年、
「見て覚える」
「空気を読む」
「周囲に合わせる」
という育成文化が根付いていました。
しかし高度外国人財の多くは、
・明確なプロセス
・具体的な期待値
・言語化された基準
を前提に育ってきています。
暗黙知は、共有されなければ存在しないのと同じなのです。
退職という結果
半年後、彼は退職しました。
理由はこうでした。
「自分が成長している実感が持てなかった。」
会社側はショックを受けました。
「優秀だったのに…」
しかし実際には、
“育成設計”が存在していなかったのです。
その後のD社
失敗を機に、D社は教育制度を見直しました。
✔ 業務プロセスのマニュアル化
✔ 期待役割の明文化
✔ 週1回の1on1面談
✔ 「なぜその仕事をするのか」の共有
すると、次に採用した外国人財は、
1年後にはプロジェクトの中心メンバーに成長しました。
教育は“放任”ではない
「任せる」と「放置」は違います。
高度外国人財は即戦力ですが、
“日本企業での戦い方”は別途学習が必要です。
教育とは、文化の翻訳作業なのです。
《今回のポイント》
✔ 「見て覚える」は前提にしない
✔ 期待値とプロセスを言語化する
✔ 定期的な対話で成長実感をつくる
育成を設計しなければ、
優秀な人財ほど離れていきます。
高度外国人財の活躍は、
教育の質で決まるのです。
異文化コミュニケーション研究所(R)は、「国費外国人留学生の紹介」、「グローバル人財の採用・活用に関するコンサルティング」のスペシャリストです。
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