1.外国人への偏見
社長は単に号令を掛けるだけではダメで、強い信念と、リーダーシップを持って組織を引っ張っていかなければなりません。特に方向転換を図る場合、慣性に逆らうのですから、その反対派を納得させない限り、放置しておくと『慣性の法則』通り、元に戻ってしまいます。
組織の規模に寄りますが、ある程度以上の場合には、トップが責任者を選任し「それなりの権限」と「重い責任」を与えて実施することが求められます。残念なことですが、反対派の人材が選ばれてしまうと、上手な言い訳を並べることに時間と労力を費やすため、人選はとても重要です。
また、いつも書くことですが、そこで更に重要なことは、目的を明確にした上で、指示をすることです。そして、分かりやすい評価指標を準備することです。出島的な組織で失敗するほとんどの場合、この「目的」と「評価指標」が伝わっていないことが原因だからです。
人は単純な生き物です。叱られれば凹み、褒められれば有頂天になる。2022年の箱根駅伝で優勝を果たした青山学院大学の原晋監督は、辛い時に「あともう少しだ、君はヒーローになれる!カッコいいぞ!」と言って、学生たちを鼓舞したそうです。共通の目標と、それに向かう強い絆には、そんなリーダーの声が重要なのでしょう。
外国人を受け入れる皆さまが、インキュベータです。彼らの力をどう引き出すか、智慧を絞ることです。
必要性を感じないのは、使ったことがないからです。今では当たり前であっても、出始めの頃には、様々な風評に晒されるものです。カッコ良いと思いませんか?日本人と外国人が知恵を出し合って、一緒に仕事をしているなんて…。
皆さまの中に、そんな「カッコ良さ」が目覚めることを祈念します。