コラム

04.新人教育の仕方《2020年》

4.新人教育の仕方

よく外国人の新人教育に関するアドバイスを求められます。

日本企業の多くは、新卒の一括採用をして、集団教育を施した後、それぞれの配属先に行くという方法を取りますが、そこで私たち日本人は、無意識のうちに『画一化』を望んでいます。

回れ~右!というと全員が息を合わせて動き、一糸乱れぬマスゲームのような動きをさせる。そして配属先には、ネクタイの色の違い以外はほとんど差のない、個性を埋没させた人材を供給することが新人教育の傾向です。

日本での生活が短い外国人にとって、基礎知識、社会人・組織人としてのマナーやルール、会社の経営理念・歴史・文化、等々はとても重要です。しっかりする必要があります。しかし、それを横並びでしないことが重要です。

野菜の「種」を見たことはありますか?
小さな粒々の種は、知識がなければ、それぞれの種からどんな野菜ができるのか、種だけを見ただけでは分かりません。でも、美味しい野菜をたくさん収穫したいのなら、種を植える段階から、個別にいろんなことをしなくてはなりません。たとえば、深く掘らないといけなかったり、水をたくさん上げないといけなかったり、肥料の配分や設置場所に工夫しなくてはいけなかったり、種に合わせていろいろなことをする必要があります。

人も同じで、種の状態から、いろいろとやるべきことが異なります。特に、高度教育を受けてきた外国人の新人の場合、単に横並びで教育しても期待通りには育ってくれません。

幸い、種と違い、人はコミュニケーションが取れます。徹底的にコミュニケーションを取り、その本人の人物像をイメージして必要な施策を講じることが大切です。