コラム

16.絶対的なギャップ《2020年》

16.絶対的なギャップ

私たち日本人は、文科省の教育方針に則り、同じ教科書、同じ教育指導要領で判で押したような教育を受けています。国民に「同等」で「一定」以上の教育をするという国の方針はしっかりしていると感じます。

そんな環境で育った私たちは、皆が同じ「基準」を持っているものだと思っています。そのため、それから外れないように生きますし、外れている人を見ると注意をしたり、気分を悪くしてしまいます。

ところが、世界は広いものです。全く違った考え方、教育をしている国もたくさんあります。そんな国から来た人と仕事をすると、お互いに異なった「基準」を持ち合わせていることから、まさに『青天の霹靂』的な事件が起こるものです。

中国から来たとても優秀な高度外国人財に、初めて責任を持たせて仕事をさせたときのことです。定期的にチェックをしながら様子を確認し、本人からも「大丈夫です」という返事をもらいながら締切当日を迎えました。彼女に提出を求めると、全く悪びれる様子もなく「完成はしていますが、チェックはこれからです。」とニコニコしていました。(驚)

彼女が悪い訳ではないのです、「締め切り」に対しての捉え方が異なっていただけなのです。

異文化コミュニケーションを面倒だと感じる人もいますが、未開の地の開拓者の気持ちになって目の前に起こるさまざまな事象(事件)に、楽しみながら対応していく、そんな体験を皆さんにはして頂きたいと思います。

平坦で単純な仕事ではありませんが、開拓をした大地は実りある大地です。