コラム

18.金のわらじ《2020年》

18.金のわらじ

とある企業さまでは、東京大学大学院を卒業した優秀な人財を確保するため、入社までの数か月の間、帰国する本人の旅費を出してあげ、帰国した後入社までの間、会社が準備したアパートを寮として提供し、さらに学生寮からの引っ越し代も出してあげていました。

弊社としても「驚くほどの待遇」に、ちょっとドキドキしてしまいましたが、どれだけ企業の未来にとって、能力のある人財を確保することが「重要だ」と考えているかを知ることができました。

ただ「甘やかす」ことは、問題外です。

『年上の女房は金の草鞋(かねのわらじ)を履いてでも探せ』という諺があります。年上の女性は、男性の気持ちを読み取ることに長け、気が利くのため、擦り減らない『金の草鞋』を履いて、方々歩いて探せという意味らしいということらしいですが、お嫁さんにもらったとたん、『浪費家で、三食昼寝付きのぐうたら嫁』だったりしたら目も当てられません。

他社がどうであれ、入社前にきちんとお互いに細かいことを確認しながら、これは「有り」、これは「無し」ということを決めておきましょう。また、それ以外のことについては基本的に「無し」にして、会社の判断として必要である場合だけ別途検討をするというようにしておいてください。

「隣の芝生は青く見える」ため、他の会社のことを例にして交渉したとしても、「ビジネスは契約(約束)が大切なことは理解しているよね?」と冷静に話してください。何事もそうですが、他の会社よりすべての条件が劣っているなんてことはないものです。安心してください。

ただ、NOを突き付けることで、彼らのやる気を削ぐことも望まないことなので、一年後の成果(具体的な数字が必要)次第で、再度その要求についても対応するからと、プラスの要因を残しておけば良いでしょう。