コラム

22.転勤なら辞めます《2020年》

22.転勤なら辞めます

高度外国人をどのように活用するのかは、きちんと事前に「貴社独自のジョブディスクリプション(職務記述書)」の中に記載して、本人と良く協議をしておくことが必要になります。

それをしないから『こんなはずじゃなかった』というガックリ感が、双方に発生してしまうのです。

元々は外国から来たにしても、『居』は日本にあります。ましてや結婚すれば、日本に家族がいる、子供は日本の学校に通っている、伴侶も日本で働いている等々の事情があると、彼らに母国へ帰れというのは、とんでもないオファーになってしまいます。場合によっては『単身赴任』という選択肢しかなく、泣く泣く本当の家族から離れて生活をすることになってしまいます。それが「母国」であっても同じです。

多くの日本企業で高度外国人を採用する一つの理由が、『将来海外の現地法人の責任者として活躍してもらう』ことを期待してですが、私たち日本人の視点からは、とても理にかなっているよう見えても、彼らの多くは日本に住みたいために、日本企業に勤めたのです。そのため、母国に返してあげるというのは『ありがた迷惑』そのものになってしまいます。

さらに、現地で日本と同じ金額の給料を貰えるのであれば、多少は納得しますが、『現地水準』になると知ると日本の給与の「何分の一」という世界になってしまい、突然やる気をなくしてしまうのが現実です。確かに現地で生活するにはそんなにお金はいらないのかもしれませんが、欲しいのは「比較」ではなく、「絶対的な金銭」なのですから、その辺りを良く考えておく必要があります。

つまり高度外国人をどのように活用するのかは、冒頭書いたように、きちんと事前に「貴社独自のジョブディスクリプション」を使って、本人と良く協議をしておくことが必要になります。『こんなはずじゃなかった』というガックリ感が、双方に発生してしないようにしなくてはなりません。