コラム

25.一人ぼっち《2020年》

25.一人ぼっち

企業にとって、一人、一人の従業員は、単なる部品ではありません。一人、一人が、エンジンであり、一人、一人が頭脳も意志を持ち働くことができます。

彼らにモチベーションを持たせることが、これからの企業経営には必要不可欠です。

日本企業は、今まで「終身雇用」を前提に、丁稚奉公的な扱いを新人に対してすることに、何の問題意識も持ちませんでした。それは、自分もそういう扱いをされてきたからです。ところが、今はどの企業も本当に永続的に従業員を雇用できるかどうかわかりません。また、従業員も定年まで働くことをコミットする人はあまりいないでしょう。

ある意味、時間が限られています。

特にキャリア(将来設計)を自分で作ることが大前提の、外国人たちにとっては、指示待ちで、与えられる仕事も評価されない雑務ばかりとなると、貴重なキャリア構築ができなくなってしまうという、焦りと、焦燥感を感じてしまいます。

また、日本語がそんなに上手ではないため、一人だけで行える仕事をさせる上司も多く、本人のモチベーションは下がるばかりです。結果的に、社内で孤立してしまう。日本人であれば、『石の上にも三年』という気持ちで耐えますが、別の会社で働いている彼らの友人たちは3年もあればマネージャーに昇進しています。

会社の文化はそうそう変えられないと考えるかもしれませんが、難しく考えることはありません。彼らに明確な目標と、使命感を持たせるだけです。マネージャーとしての責務を怠ってはなりません。

彼らに最高の成果を出させることが考えられなければ、「井の中の蛙」となってしまいます。井戸の中から出るころには、未来のような別世界です。