コラム

32.大学院に行くことにしました《2021年》

会社にとって、キーメンバーが突然いなくなるというのは、大変なことです。

ですが、いなくなるとは言っても、戻ってきた時にはパワーアップしているとしたらどうでしょう?結構、嬉しかったりしませんか?

外国人の場合には、学び直すという考え方がごく普通にあるため、退職をして大学に戻るなんて選択肢は、『清水の舞台から飛び降りる』レベルの決断はいりません。

では、会社はどのように準備をしておいたら良いのでしょう?

まず、常にコミュニケーションを取っておくことが大切です。『寝耳に水』にさえならなければ、対処方法はいくらでもあります。

「そのまま辞めてもらっても構わないのか」、「戻ってきて欲しいのか」、「タイミングをずらしてほしいのか」、「学費を出す代わりに何か約束事を求めるのか」、等々、会社の事情を踏まえて良く話しておく必要があります。

外国人も、会社や同僚に迷惑が掛かるようなことはしたくはありません。きちんと相談はできます。もちろん、その人の人生ですから、最終的な選択は外国人自身が行うものですが、誰も『後ろ足で砂を掛ける』ようなことはしたくないので、安心してください。

ここで逆提案なのですが、これから会社は、全従業員を定年まで採用し続けるという「暗黙の約束」を果たすことが、段々難しくなるものと考えます。そうであれば、従業員のスキルアップに対して、もっと積極的に会社もサポートしてあげるということを初めから考えておくということも必要ではないでしょうか?

社費留学で、アメリカの大学院でMBAと取らせたところ、そのまま辞めてしまった…。なんて話が良くありますが、それはある意味、会社が愚かです。社費留学はご褒美ではないはずですが、それを許してしまう仕組みのままにしておく方が悪い。

バランスが必要ですよね。そして、会社に《魅力》も必要です。「戻って来たい!」そんな会社にすることができれば、従業員の成長のためのプログラムを構築することは、とても意味のある投資となることでしょう。