コラム

33.話が違う、給与が少ない!《2021年》

源泉所得税というやり方は、日露戦争のときに始まったと聞いたことがあります。国が税金の「とりっぱぐれ」をなくすシステムです。戦費を賄う苦肉の策だったのでしょう。それが今の、今まで続いています。

本来、税金を納付するのは個人です。そのため、会社が強制的に天引きするのは変ですよね。たぶんこんな制度は他の国にはあまりないのではないかと思います。

そのため、給与明細の「手取り」金額しか見ない日本人は、納税しているという意識が低いと言われます。いずれにせよ、健康保険、厚生年金、雇用保険、所得税、住民税等を会社が引いて、「残り」を本人に支払うのが日本のシステムですから、それがイヤだと言われてもどうしようもありません。

最近では、外国人に向けて、この税金の支払について、きちんと説明をしている会社が多いのですが、イレギュラーに高額の給与を支払うことで採用する高度外国人財に限って、通常の流れ通りではないため、説明が抜けてしまう場合があります。気を付けて下さい。(天引きされる金額も、半端ないので…)

それから厚生年金については、くれぐれも丁寧に説明するようにしてください。将来、母国に帰っても、長年日本の企業で働いていれば「年金」を受け取ることができるからです。経済落差がある国では、この日本の厚生年金は「大金」です。それを励みに働く外国人も多くいます。

いずれにせよ、もしかしたら私たち日本人の方が「お人好し」なのかもしれません。皆で、『え~!こんなに引かれるの!一体、何に使われているの?!』と叫んでいれば、税金を無駄遣いされることなく、少しは安くすることができるかもしれません。