ジョブディスクリプション(JD)のポイント(4)
日本型のジョブディスクリプション(JD)のあるべき姿は、日本企業が培って
きた感性に基づくことが重要です。
海外(特にアメリカまたはアメリカを模写している国)のようなやり方をしよ
うとしても、『猿まね』になるだけで、成果を上げる前に失敗に終わってし
まいます。
高度外国人財に対してのJDで、仕事の内容を定義することは必要ですが、
そこで日本企業が従業員に求めがちな不文律、社会性を維持するための「自
制心」を強要しないことです。
とは言っても、出来たばかりの会社で、成果さえだせば何をしても良いとい
う自由奔放な社風であれば別ですが、そうでなければやはりある程度の規律
が求めらるのが普通ですから、「自制心」は求められます。
相反することを話しているように感じるかもしれませんが、「自制心」を強
要するのではなく、『自制を本人の意思で行う環境を整える』記載をするこ
とです。
大切なことは、本人(高度外国人財)が望んで、日本的な社会性を乱さないこ
との価値を理解し、それに従うようにさせることです。
また、確かに仕事について定義されているのがJDですが、その上で彼(女)
らに、「日本企業(この企業)で働いて良かった」と感じさせるためのモチ
ベーションアップや、維持を図る仕組みが会社のベースにあることを伝える
ことも大切です。
一般的に、仕事ができる人は、仕事以外にも積極的に関心を持ち、オフの時
間を充実させているものです。その「個の世界」を認め支援することで
より高い成果を生むことを会社は理解し、個を大切にしている『会社の姿
勢』を外国人従業員に示しましょう。
島崎ふみひこ
異文化コミュニケーション研究所(R)
日本企業のダイバーシティ教育、高度外国人財の採用・活用