異文化コミュニケーション的交渉術(共感の時間)
進行を司る人の役割について、前回、時間配分の観点からどのようにしたら
良いかについてご説明をしましたが、今回はさらに、是非『共感の時間』を
持って頂けるようにお願いしたいと思います。
交渉とは、それぞれの思惑があったとしても、できるだけ禍根を残さないよ
うにして、お互いが納得できるポイントに落とし込む作業のことです。そう
いう意味では、同じ目標を持って交渉の場に就くとも言えます。
『共感の時間』のとは、相手のことをなじったり、批判したり、攻撃するこ
とは一切せず、あくまで自分たちの立場だけを語る時間です。
これはしっかり時間を取ると良いでしょう。少なくとも30分ずつ、背景、
経緯、歴史、文化、望んでいる将来、等々じっくりと思いや考えを参加する
全ての人に対して伝えることです。
話している間は、それ以外の人は一切声を出してはならず、威嚇をすること
もしてはいけません。
そして、相手が終わったらもう片方の方が話す。
お互いの立場は、意外に分かり合えていません。本当は何を考えているのか
分からずに、お互いに疑心暗鬼になって攻撃し合うことになってしまう。そ
んな無意味なことを避けるために、交渉を開始する前に、じっくり話をさせ
ることです。
時間を掛けて話をさせることで、本音を語る機会を持て、心を穏やかにする
ことができる上、仮に嘘や誇張をしてもばれてしまいます。
不思議なもので、相手の本心を感じることが出来ると『共感』が生まれてき
ます。
冷静にコミュケーションができる土台を作ることで、目指すべき着地点も見
えやすくなってきます。
島崎ふみひこ
異文化コミュニケーション研究所(R)
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