高度外国人財の教育(つながり)
熱心に教育をされる企業さまから、「あんなに良くしたのに…」と残念なお
話を伺うことがあります。
いろいろとお話を伺っていて感じたことは、『太陽が一方的に光を届けてい
る』といことです。同じタイミングで種を植えても、お花が咲くタイミング
が違うのと同じように、人それぞれの個性があるものです。
でも「良くしてあげなくては!」といった情熱が強いと、個性にまで気が回
らず、「これでもか、これでもか…」的に『情熱』を与えてしまい、その結
果、芽が出る前に枯れてしまう…。
あまりにも良くされているので、気の毒になってしまうのですが、植物を育
てるには太陽の光だけではなく、豊かな土壌、風通し、大地を潤す雨が必要
です。
外国人従業員の立場からすると、良くしてくれる人の気持ちを慮って、本音
が話せず、結果的に解決方法が見つけられないということが多々あるもので
す。
そんなときには、同じ境遇の人、同郷の人をBuddy(相棒)として、伴走役
に割り当ててください。社内にそんな人がいない場合には、気の知れた同業
他社でそんな人がいないか探してください。
彼らは、お互い気を遣うことがないため、本音で話し合えます。そして、そ
の「つながり」を少しずつ、少しずつ大きくして和・輪を作ってあげるよう
にしてください。
教えることだけが教育ではありません。自らが、自らの意志と「つながり」
を通して、智慧と勇気を得ながら前に進む機会を作ることも大切です。
島崎ふみひこ
異文化コミュニケーション研究所(R)
日本企業のダイバーシティ教育、高度外国人財の採用・活用