10.recommendation letterって何?《2020年》
10.recommendation letterって何?
日本企業の場合には、定年や結婚を除いては、会社を辞めることに「円満退職」というイメージはあまりありません。自己都合で転職をするときなど、送別会でさえ開かれないこともあります。
もちろん、家庭の事情でやむを得ず辞めるときには、皆から「大変だね、頑張ってね!」とねぎらいの言葉をかけてもらうこともありますが、一般的な日本の会社のほとんどは、転職は「罪」のような意識があるような気がします。
日本の会社は家族的な面がある反面、その仲間から外に出るということは、「仲間を捨てる」、「仕事を投げ捨てる」…という気持ちになってしまうのでしょう。アイツには良くしてやったのに…という陰口が聞こえてくることさえあります。一種の村社会の発想です。
個人が組織に依存し、実は組織も個人に依存しているのが日本企業だとも言えます。
ところが、『キャリアの責任は自分にある』という考え方に基づく欧米企業の場合、その本人にとって転職はステップアップになるので、日本の企業ほど『湿った』感覚はなく、送り出してあげます。
そして新しい就職先に自分のCV(履歴書)を提出する際には、前の職場から「recommendation letter」をもらい、それをベースにして、仕事内容や、待遇の交渉を行います。そのため「recommendation letter」はとても重要です。そこには、どんな仕事をして、どれだけその本人が優秀かといった内容が書かれます。
もし前職で、不正を働いたり、会社に損害を与えたりしたら、もちろん「recommendation letter」は書いてくれません。ですから「recommendation letter」を書いたことがなくても、しっかり働いて来た人に対しては、書いてあげることが礼儀なのです。
実は「recommendation letter」の仕組みは、退職したとしても、「繋がり」「絆」が生まれるというメリットが生まれます。
面白い話として、元部下がマネージャーをしている会社に、前職の上司が転職した人を知っていますが、応募したときに、その上司が「ヤツが転職したときに、良いことをたくさん書いておいて良かったよ~」と笑いながら話していたことを思い出します。
つまり、世の中、いつ上下が逆転するのか分からないので、辞めていく部下にもきちんとしておくことが大切ということです。
みなさん、心を込めた「recommendation letter」書いて下さいね。