コラム

20.定型外履歴書《2020年》

20.定型外履歴書

日本の場合には、新卒の一括採用という仕組み上、ある一定期間に膨大な数の履歴書が届きます。100人の採用に数万の履歴書が届く世の中です。日本の大学生の平均的な履歴書の送付数は60通というくらいですから、受け取る方の企業も大変な労力を必要とします。

以前はすべて手書きでしたが、今はプリントアウトやWEB入力といった形式になったことで、とりあえず気に掛かるところには全部、履歴書を送るといったやり方になっているところに問題があるようです。

そのため、外国人から『定型』以外の履歴書が届くと、どっと疲れます。

専門学校では、履歴書の書き方から指導してくれますが、一般的な大学では、一人一人にそのような指導までは行えません。そのため、世界中どこにでも出せるように作ってある「オリジナルな履歴書」を送付してしまいます。

横並びに見る癖がついている私たちからすれば、「こいつら分かってない!」と感じてしまうものですが、落ち着いて考えてみると、私たちはあの《定型》の履歴書の一体何を見ているのでしょうか?

大学名? 学部?

確かに有名大学は難関校ですから、学校の学力的には優れた人たちが集まっているので、そこから選べば少なくとも『可もなく不可もない』人財を採用することが出来ますが、もっと違った視点で学生を見ることも、これからのDX社会では必要になってきます。

定型の履歴書にして提出するようにと、返信をすることも悪い訳ではありませんが、それよりも、彼らの送って来た履歴書の項目に優先順位(3つ程度)を付けさせるように指示をしてみて下さい。本人の価値観が分かり、実際の面接の際に、ポイントを押さえて話をすることが出来ます。

型にはまった人間よりも、パスファインダーがこれからは求められる世の中です。