コラム

28.社内の説得《2021年》

日本企業の生産性は、かつて世界一でした。ところが、最近は生産効率が低いと問題視されています。給与の伸びを他の先進国と比較してみると、それは歴然としています。

一人当たりの生産性が低いのは、能力が低いからではなく、智慧が低いからです。

効率を上げるには、仕組み自体に手を付けなくてはいけないのに、単に今あるものに改善を加えるだけに留まっているところに、日本の閉塞感があるのでしょう。

江戸時代、鎖国をしていた日本人は、栄養価の差で西欧人と体の大きさが全く違っていました。今では大リーグで活躍するようなしっかりした骨格を持つ大谷翔平のような日本人が生まれてきましたが、これは生活スタイルを変えたからです。

封建制度の鎖国主義から、明治維新へ舵を切ったことで、日本は新たな仕組みを取り入れることができ、帝国主義で暴走してしまったことは反省しなくてはいけないにしても、大きな進化を遂げることが出来たことは事実です。

戦後の焼け野原も、悲惨な事実ではありますが、ゼロベースですべてを作り直すことができたために、世界第二位の経済大国にまで上り詰めることができたのでしょう。

どうしても「現場」は、今あるもの「遺産」に縛られてしまい、遠い先を見ることができないものです。しかし、船員が動かなければ船は進路を変えることができません。彼らを導かなければなりません。

そのためには、

トップとの信頼関係、そして繰り返して行われる説得、さらに重要なことは最終責任はトップが取るという確固たる決意。

が必要です。

これらがなくては、従業員たちはトップに付いていかないものです。

さあ、宝島を目指し、帆を高く上げて、面舵一杯!!