高度外国人財の教育(仕事の意味づけをし、強みを探る)
弊社では日本の大学で学んだ優秀な留学生を企業にご紹介していますが、
その際、企業側にいつもお願いしていることがあります。
それは、できるだけ一人だけではなく、同じ部署で二人以上採用することで
す。(もちろん、予算等の関係で難しい場合は別です。)
お互いに切磋琢磨し、協力し合うことで、一人だけを採用するよりも、遥か
に日本企業への適応力が高まります。また既に先輩に外国人がいるとアドバ
イスができるため、様々な課題や問題が起こっても彼らの中で解決できたり
します。
ただこれは、日本企業に馴染むという意味だけで、企業に貢献できるという
内容の話ではありません。
彼らから、最大限の成果(output)を引き出すにはどうしたらよいでしょうか?
そのポイントは、その仕事にどれだけ意味(価値)があるかを教えることです。
人は人から頼られること、その仕事の真価を認識することで、俄然能力を発
揮できるようになります。
それと同時に「一人ではない」、周りには共に問題を解決する「仲間がいる」
という「安心感」が不可欠です。日本企業は、その点チームワークで仕事を
すること、後輩を育てることで、海外からも高い評価を得ています。
自信をもって下さい。
ただ、実績があったり、学業的に優秀であったとしても、それは貴社が評価
したものではないので、鵜吞みにせずに冷静に評価を積み上げながら、徐々
に成果の質を高めることを忘れないでください。
日本企業はある意味「お人よし」なところがあり、初めから好待遇を与え、
最大限の成果を求めてしまう傾向があり、出てきた結果に愕然としてしまう
ということがよくあります。
どんなに才能のあるピアニストでも、簡単な曲から徐々に難しい曲へレベル
アップしていかないと、上達する前に潰れてしまいます。
会社としてプランを立てて、もっとも本人の強みを生かせる仕事に就かせる
ようにしてください。
それと同時に、そのプランを本人に伝えることを忘れないでください。この
国は彼らにとっては外国です。どこかで不安定感や不安感があるのが当然で
す。そんな気持ちを察して、会社が本人をふるいに掛ける目的ではないこと
を伝えることで、しっかり大地に根を張って頑張る気持ちになるものです。
島崎ふみひこ
異文化コミュニケーション研究所(R)
日本企業のダイバーシティ教育、高度外国人財の採用・活用