第18話 海外出張 – 番外編
一人旅の続きをしばらく続けるつもりでしたが、出張から帰ってきて、記憶が新鮮な内に私の感じたアメリカの最新情報をご報告すべく、ちょっと留学そのものとは違いますが、ご紹介したいと思います。(次回から、また留学時代の旅行の続きを書きますね。)
1)「US Citizen」 と「日本国民」
飛行機の中で何気なく耳にした、二つの国の人を現す言葉。でも、よ~く、噛み締めてみるとなかなか奥の深いものがあります。Citizenって言葉は、自立した人達のことです。たとえば、イギリスで有名なCITYという地域がありますが、歴史上、英国王室と遣り合ったほどの、独立した人達の集まりでした。Cityの人で、Citizenですからね。(もちろん、もっと昔のギリシャだかローマだかの時代に語源はあるですが、基本的に意味は同じだったと記憶しています)
ですから、US Citizenという言葉は、「United Statesを成り立たせる人たち」という意味合いが強い気がします。反面、国民という字は、「国の民(たみ)」ということです。この民という字の由来ですが、『針を手に持って目を刺す』つまり、為政者が、自分の領地の人達を従わせるために目をつぶすということを指しています。ですから、国を成り立たせる人達の意味合いではありません。国に従わさせられるのか、それとも国を立たせるのか、….。Japanese citizenとして、生きて行きたいものです。
2)飛行機の乗り方(機内での過ごし方)
ちょっとした飛行機の乗り方の「極意」を伝授しましょう。(^^)v
① 持って行くもの
マスク、アイマスク、耳栓、リップスティック、スリッパ
飛行機の中はめちゃくちゃ乾燥しています。喉を痛めると風邪をひきやすくなるものです。折角現地についても、風邪じゃ楽しみも半減しますからね。気をつけましょう。それから、靴を履いたままだと、疲れやすいので、スリッパをお忘れなく。
② 座席の確保(その1)
満席の場合は別ですが、多少でも余裕があるようでしたら、是非成田のチェッキングカウンターで、「隣を空けて欲しい!」とリクエストしてみましょう。隣が空くだけで、精神的疲れが半減します。
③ 座席の確保(その2)
隣を空けるのと同様に、足が十分に伸ばせる場所を選びましょう。
つまり、非常口の前がベストです!フライトアテンダントさんとお友達になれる機会もできますよ。(^^)
④ ブランケットを2枚
体の熱を奪われすぎないように、ブランケットを一枚は足腰に、もう一枚は上半身に使いましょう。追加料金は取られませんからご心配なく。(^^;)
3)発想のポイント…当たり前を止めよう!
ホテルで切手を購入しようとしたら、お店のおじさんが「切手はこの機械で売っている。」と言って、カウンターの端にある小さな自動販売機を指差してくれた。ふと見ると、そこには懐かしい電気不要の自動販売機が置いてあった。
仕掛けは簡単で、機械仕掛け。25cと10cのコインを刺し込むところがあって、それにきちんとコインを入れて押し込むと手に入れたいものが出てくるようになっている。
私は、60cの切手を買いたかったので、25cを二枚、そして10cを一枚準備したが、よ~く見ると、こう書いてある「20cの切手を一枚購入するのに35c入れろ」と書いてあるのだ。つまり、60c分の切手を手に入れるのに、$1.05が必要なのだ。
なんだ!?!
とは思ったが、時間もないし、たいした金額でもなかったので、指示通りに20cの切手を一枚購入する度に25cと10cコイン刺し込み、ガチャッと音を立てながら3回同じ行為を繰り返した。すると、厚紙に挟まっている20cの切手が3つ出てきた。つまり、厚紙に挟める手数料が一枚当たり15cということらしいのだ。
日本人にとっては、どこの店で切手を買っても額面通りの金額しか請求されない。でも、こうやって付加価値をつけるとアメリカでは商売ができるのだ。ビジネスの芽って、こんな発想から出てくるものなんだろうな~と感じた次第。当たり前だと思った途端、考える気持ちがなくなるもの、新鮮な気持ちを持ちつづけることの大切さを感じた。
4)Chicken or Beef ?
長距離の飛行機に乗ると、必ず食事が何度か出てくる。
なんとも味気のない料理だが、昔は結構美味いものが出たらしい。なんせ、あの高嶋兄弟の両親は新婚旅行でハワイに行った際に、一人当時100万円も払ったというのだから、そりゃ美味いものでも出さなければ、客が怒っただろうことは想像がつく。それにしても、最近は旅費が安くなったから、留学生も4年間の間に一度や二度帰ることが可能だからありがたいものだ。
さて、その料理だが、必ず2種類からの選択だ。
あの金属のカートを引っ張ってきて、隣にまで来ると”Chicken or Beef?”の様に聞いてくる。マ~回教徒の人に豚肉は出せないし、ヒンズー教の人に牛肉が出せないのは分かるが、なんとも味気ない質問だ。
だって、料理は「材料」ではない。
たとえば、豚肉一つをとっても、酢豚もあれば、トンカツもあれば、ポークカレーだってある。それを、単に材料だけで何を食べたいか聞いてくるなんて、やっぱり西洋では基本的に「食文化」がいかにプアーであるかを象徴している気がしてならない。
留学をして誰でも恋しく思うものは、日本のバラエティーに富んだ食事だからね。
さて最後に、今度日系以外の飛行機に乗って同じ質問を受けたら、是非こう答えてやろう “Beef and Well done please!”と、…。(f^^;)
どんな返事が返ってくるか楽しみでしょう!
まだまだ手帳に何枚かメモがあるのですが、今回はこの程度にしておきます。是非ご紹介したいことがまだまだたくさんあるので、またいつか機会を作りますね。(^^)v
[2000年2月3日発行]