第58話 アメリカンドリーム
不遇の人が努力を重ねてビックチャンスをつかみ、途方もない富と名声を得る。アメリカンドリーム….、とっても良い響きですよね。夢を抱く人にとってはたまらない言葉。
序列や古臭い慣習に縛られずに、個人個人がその人の持っている個性で自由闊達に渡り歩く。アメリカはそんな可能性が他のどこの国よりも多くあるところだと私は思っています。
私がアメリカンドリームという言葉で一番始めに思い出す日本人は、ご存知「ベニハナ」ステーキチェーン店を展開したロッキー青木氏です。
これから書く内容は、ある日本人留学生から聞いた話の受け売りで、真偽のほどは定かではありません。機会があったら彼の伝記を是非読んでみたいと思うのですが、私の聞いた彼の歩みはアメリカンドリームそのものでした。その内容があまりにも衝撃的だったので、この機会に皆さんに紹介したいと思います。
彼はアメリカ、ニューヨークにいた貧乏留学生だったそうです。
彼は、生活のために仕事をする必要があり、収入が良いとの理由で「アイスクリームの屋台」を始めました。
しかし、今から30年ほど前のアメリカ、黄色人種のやっているアイスクリーム屋になんて見向きもされなかったそうです。来る日も来る日も売れない毎日が続き、彼は悩み、考えました。
….そうだ!!
人が売りに行かないところへ行こう!
そして彼は、危険なハーレムへ屋台を引っ張っていったそうです。
すると、今までの売れない日々が嘘のように、アイスクリームは飛ぶように売れたそうです。もちろん、彼は場所を変えただけではなく、アイスクリームを買ってくれた子供に折り紙を作ってあげたりと、努力は忘れませんでした。
ハーレムは危険な地域。やはり強盗にもあったりと、危ない想いをしたとのことですが、それでもめげず彼は頑張りました。
その上、彼は毎日コツコツ$10づつ銀行に貯金をしていきました。毎日、毎日欠かさずです。
それから一年ほど続けたときに、銀行の支店長が彼に声をかけて来ました。
「あなたは、毎日欠かさず$10一年間貯金を続けました。
その律義さ、まじめさに敬意を示します。あなたがビジネスを始めたいと望むなら、あなたの貯金の倍の金額を融資しましょう。」
アメリカンドリームですよね!\(^o^)/
日本では、アルバイトの学生がいくら毎日欠かさず千円ずつ貯金をしたとしても、絶対に銀行の支店長がその金額以上のお金を融資してくれるなんてことはないでしょう。保証金か、担保を要求されるのがおちです。
さて、青木はそのお金を元に「ベニハナ」のステーキ屋をニューヨークに開きました。
….しかし、まったく客が来ない!!
また、彼は大きな壁に直面したのです。それでも、彼はやはりめげませんでした。
そして、何をやったかというと、
….な、なんとあの有名なタイムズスクエアーへ鉄板を持って行き、あの見ているだけで楽しいペッパーミルをくるくる回したりする独特の調理を披露したのです!!
もちろん、そんな「ストリートショウ」を見たことのないアメリカ人たちは、どんどん青木の回りに集まりました。
その様子は容易に想像できますよね。(^^)
そして、奇跡がまた起こりました。
その様子を上から見ていた雑誌「TIME」の記者がその奇妙なステーキ屋「ベニハナ」を雑誌に紹介したのです。
それから「ベニハナ」ステーキチェーンは破竹の勢いでアメリカ中に展開されていきました。
なんと、素晴らしい話しでしょう!これは、まさにアメリカンドリーム。
最後に、ロッキー青木氏の「成功の秘訣」をご紹介しましょう。
それは、以前も紹介していますが
『成功している自分をイメージすること』だそうです。
たとえば、超高級車が欲しいと思ったら、その車を背景にして自分の写真を撮る。この車は、自分の車だ!と念じて毎日その写真を眺めると、数年後には自分の物になっているそうです。
何とも、アホな!って思われるかもしれませんが、科学ではまだ解明されていないだけで、私たちにはその力があるのかもしれないと私は思っています。
さあ、あなたも、あなたなりのアメリカンドリームを捕まえませんか?
素敵な人生のために!
それじゃ!!
[2000年11月23日発行]