第68話 インドよい所、一度は~おいで!(その2)
続いて、ホテル。
ホテルに着くまで知らなかったのだが、ここバンガロールはあの「サイババ」の住んでいるところなのだそうだ。コンシェルジェのところに行って、地図を貰うと、そこに大きく写真が載っていた。
着いた日は日曜日、まだお昼前だった。少し休んでも時間もあることだし、行ってみようかと思ったが、場所がわからない。どのくらい遠くにあるのかと思い、貰った地図を開き、ホテルからそのサイババの写真があるところまでの距離を調べることにした。
日本人の私にとっては、地図の右下あたりに縮尺があるのが当たり前だったので、右下を探す。…..縮尺がない。つづいて、右上、左上、左下、….。あれ?!? 縮尺がない!!!
なんじゃ、こりゃ!と感じた瞬間、ある文字が私の目に飛び込んできた。….な、なんとその地図”Map not to scale”とあるではないか!
つまり、縮尺はあてになりませんと書いてあるのと同じ!いったいどんなコンセプトで地図ができているのか、不思議でならない。(^^;)
マ~、地図のリファレンスを見ると、「サイババ」のいるところは、街中から約25kmとあったので、まだいいものの、本当に困ったものだ。
結局25km先なんて結構遠いこともあって諦めることにしたが、人生感が変わるかもしれないので、次回来る機会があったら、行ってみようかと思っている。
思い起こせば、民主化の方向に進む前の中国なんかだと、観光客が決められたところ以外で写真を撮ったりすることは禁止。もちろん、地図にはまともな縮尺もなければ、あっても地図自体が距離をでたらめにしているため、全く使えない。軍事上の理由とはいえ、国家の考えることは一般のわれわれには理解しがたいものだ。インドももしかしたらそれと同じなのかもしれない。
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それから、ホテルのレストラン。
テーブルの上には、ミネラルウォーターが置いてあった。
そこには、”NOT COMPLIMENTARY”(無料ではありません)と書かれている。
さすがにインドくんだりで水道水を飲むのは嫌なので、その封を開けて喉を潤した。
料理が運ばれてくるまで、何気なくそのボトルの表示を見ていたら、あるある!インドらしい表示。(^^;)
通常のミネラルウォーターの場合、鉱物の分量が表示されているが、このインド産の水では
Nutrition Facts
Calories 0
Total Fat 0g (0%)
Tital Carb 0g (0%)
Protein 0g
とあった。
…..、アホカ!水なら当たり前だろう!!!と言いたくなるような表示である。マ~、”Virus Free”と書いてあった、デリーのホテルよりもまだマシといえば、マシだが…..。
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私の宿泊したホテルは、Le MERIDIEN。一応高級なホテルだと思う。
部屋の内装はとても綺麗で、窓を開けて隣のぼろぼろのアパートさえ見なければ結構快適な部屋だった。
しかし、机の上には「ろうそく」とマッチが置いてある。
電力事情が悪いのだろうな~と想い、ちょっと不安になって、昼食をとったあとに、念のために非常口の確認をすることにした。
ホテルのドアの内側に必ず付いている『非常口案内』だ。
ここにも、インドらしさがあった!(^^;)
そのときのメモがあるので、忠実にここに紹介したい。
“Evacuation Instruction”
In case of continuous alarm for more than 5 minutes please evacuate your room.
つまりだ、非常ベルがなっても5分間は部屋を出なくてもよいということらしい…..?!?
誤報が多いとはいえ、本当の火事だったらどうするのだろうか、私は一人部屋の中で大笑いをしてしまった。
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翌日、打ち合わせをするため、顧客のオフィースを訪問した。
打ち合わせは比較的順調で、インドなまりの英語にも少し慣れることができた。どんな感じの英語かというと、あの「踊るマハラジャ」の人たちの話すイントネーションのまま英語を話していると考えてくれれば大体あっている。(^^;)
結構、聞きずらい。それに、英国の植民地だった期間が長かったためだと思うが、単語がどうも固っ苦しい。アメリカ英語の好きな私にとっては聞き取れても、理解するのがちょっと難解だった。(^^;)
さて、打ち合わせも終わってホテルに戻る前に、お手洗いを借りることにした。
案内されたところは、階段の下の扉。一人分の家庭にあるお手洗いと同じだ。残念ながら、この辺りの衛生状況はインドの場合あまりよくない。マ~借りる前からその辺は覚悟をしていたが、さてさて、そのお手洗い、私にはとても理解できない鍵がついていた。
通常、用を足している間に誰も間違って入ってこないように、鍵は扉の内側から掛かるものだ。
しかし、そのお手洗いは単独に外からも鍵が掛かるようになっていたのだ。
(中からは開けられない)?!?!
さすがに、顧客にその「鍵」の理由を聞く勇気はなかったので、未だに謎だが、一体何の目的のためにお手洗いの外に鍵があったのだろう….。
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それではインドのエピソードの最後。半年を掛けた大作のお終い。(f^^;)
それは、「お菓子の袋」、飛行機の中で貰えるピーナッツの袋、そのことだ。
私も大の男だから、こんな袋を開けるなんて簡単なはずなのだが、これが「すっとこどっこい、超大変!」どこを、どう引っ張っても開かない。袋自体が「ぶ厚い」せいもあって伸びもしない。
仕方がないので、ボールペンの先を突きたてて開けたのですが、マ~お国柄でしょうか、それとも技術的に薄い袋を作ることができないからでしょうか….。
インドに駐在している日本人の人たちの生活、きっと大変なんだろうな~。
と感じる次第です。
それじゃ!
[2001年9月27日発行]