第75話 ハイウエー
アメリカ大陸はでかい!飛行機を使わずに自動車で旅行をするとその「でかさ」がよくわかる。しかし、非常に良く出来ていると感じるのは、ハイウエーがとても分かりやすいということだ。標識だって日本のように、意味不明なんてほとんどない。
車を運転する人が覚えておくと便利なのは、奇数は南北、偶数は東西ってことだ。これだけじゃ、なんのこっちゃ分からないけど、これはハイウエーについているRoute番号のことを意味している。少なくともこれだけを知っていれば、東西南北どっちの方向に走っているかぐらいはわかる。まー、北に走っているつもりが、南ってこともありえるが、そこまで方向音痴な人は、もともと運転しない方がいい。
(f^^;)
アメリカのハイウエーは、日本の高速道路みたいにお金がかかるなんてことはほとんどない。ほとんど間違いなく無料!
だから、財布を気にしながらハイウエーに乗る必要は全然ない。制限速度程度で走っていれば、ガソリン満タンでこんなに車って走るものなんだ~って感心できるほど走れるからね。運転好きにはたまらない。余談だが、日本の道路行政が如何にいい加減でどうしようもないかを知ってもらいたいので、日本道路公団の1999年度の収支内訳を見ていただきたい。
【収入 5.5兆円】
料金収入等 2.1兆円
財政投融資 2.1兆円
民間借入等 0.9兆円
補助金等 0.4兆円
【支出 5.5兆円】
金利、償還費等 3.3兆円
道路建設費 1.4兆円
維持管理費等 0.8兆円
数字だけ見ていてもよくわかりずらいが、つまり、
収入の6割以上が、『借入金』(借金)と『補助金』(お恵み)。
支出の6割は『借入金の利払い』(利息)と『償還』(借金返済)。
感覚的には、おとうちゃんの給料袋には10万円が入っていたが、実はその内訳のうち6万円以上が「サラ金からの借りてきた金」と「実家からの仕送り」。そして、家族は一度その給料袋をもらうが、すぐさま6万円を「サラ金の返済に充てる」ようなものだ。
悪の根源が、日本道路公団であることは明白。なくしてしまった方が結果的に無駄なコストが掛からなくなる。マ~それでも、膨大な26兆円借金を誰がどうやって返済するのかという課題はこれだけでは解決しないが、少なくともこれ以上借金を作らなくても済むのだから、今すべきことが何かは明白だろう。
自動車好きの諸君!こんなグータラとうちゃんに任せていると大変なことになることは分かるだろう。北海道に狸や狐専用有料高速道路を作ったってしかたないからね。何をすべきかは、それぞれが考えて欲しい。
おっと、脱線しすぎた。(^^;)
話を元に戻すが、いずれにしてもアメリカではあれだけの道路網を無料で提供できるってことはすごいことだ。なんせ、走れど走れど、まだハイウエーは続く!って状態だからね。どれだけ多くの人たち
の汗が染み込んでいるのか考えただけでも気が遠くなる。本当に、感謝、感謝だ。
それに、渋滞だってほとんどない。ロスのように大都市だと、片道6車線が車で埋まってしまっているなんてことも確かにあるが、一般的には、アメリカ全土のほとんどが「田舎」であるため(f^^;)
ほとんど渋滞はない。「こういうのを高速道路っていうんだよな~」って感心してしまうほどだ。
日本なんて、高速道路なのか「高架道路」なのかわかりゃしないからね。
もちろん、そんなハイウエー全部に街灯がついているなんてことはなく、明るいところは都市のエリアだけだ。だから、ほとんど夜は真っ暗。真っ暗なハイウエーを運転しながら、「未知との遭遇」なんて考えていると、本当にUFOが出てきそうな気分になる。
長時間、何もまわりに明かりらしい明かりが見えない状況で運転していると、疲れのあまりだんだん意識が「もうろう」としてくる。
まるで宇宙を飛んでいるような感覚だ。
本当に、注意していないと宇宙どころか、そのまま「あの世」にいっちゃうから運転する人は要注意!
ちょっと、紹介するべきかどうか迷ったが、私の「危ない」緊張維持方法について書こうと思う。今なら絶対にしないのだが、やはり当時はまだ若かったのだろう。(^^;)
まずは、事前確認事項
1)田舎のハイウエーであること
2)ほとんど直線の道であること
3)前方数百メートル先に車のテールランプが見える程度の間隔を取ること
4)後方に車がないことを確認すること
以上の準備が出来たら、気持ちを落ち着ける。
そして、この後が本番。
なんと驚くなかれ、ヘッドライトを切る!!!
そして、車を運転する。この間、十数秒….!
周りは真っ暗だから、真っ暗な世界を突き進んでいる状況になる。
すると、さすがに全身の神経を集中する必要があるため、めちゃくちゃスリルが味わえる。
前方のテールランプと、かすかに道から反射している自分の車のコーナーランプを頼りに道から脱線しないように、注意深く時速55Mphr(時速約88km)で走る。(当時の制限速度)
これこそまさに、究極のスリル!
もちろん、事故は絶対に避けなければならないから、他の車にぶつけられないように、テールランプは絶対にそのままにしておくことはMUST!
マ~しかし、これは片側2車線で、ほとんど道が真っ直ぐなアメリカだから出来ること。それに、意外にコーナーランプが結構明るいので、道の輪郭はわかるから、そんなにめちゃくちゃ危ないってことはない。
いずれにせよ、どんなことがあっても、山道や曲がり道のあるところでは、絶対にこんな自殺行為はしないように!
今日読んだ後半部分は、忘れてね~。(^^;)
[2001年11月15日発行]