
Globalフォースとのコミュニケーション
皆さん、こんにちは。本日は「Globalフォース(高度外国人財)とのコミュニケーション」に関して、ひとつのエピソードを通じて、皆さんと一緒に考えてみたいと思います。
あるメーカーでのお話です。
そこでは、インド出身のAIエンジニアが何名か働いていました。彼らは非常に優秀で、業務もきっちりこなします。でも、ある日、日本人のチームリーダーが不機嫌そうに、私に小言を言ってきました。
「なんでなんでしょうね?指示に対しても、きちんと返事をしない。仕事の完了報告もメールでしかしない。手伝ってあげても感謝してくれない…“ありがとう”の一言もないんですよね。なんか、イラついちゃって…。」
わかりますね~。インドの人に限らず、多くの外国人は、情報伝達の仕方が私たち日本人と違ったり、お互いに「ありがとう」という感謝の言葉を使いながら、人と人との信頼関係やつながりを築き上げることをしません。
その度に、私たちはイライラしてしまいます。
でも、私の経験上、そういう場合、仕組みでカバーするようにしています。
日本人同士なら、わざわざ「仕組み」なんていらないのですが、彼らの能力を活かすためです、『そういうものだ!』と割り切って我慢するしかありません。
なぜなら、日本的なコミュニケーションの仕方を「押し付け」ても、馴染まないからです。でも、長く日本で生活をするようになると、私たちがそういう「対応」を求めていることに段々気が付くようになり、ある程度、溝は埋まります。時間が掛かりますが…。
でも、知っていました?Globalフォースたちも、逆のストレスを感じているんですよ。
「なぜ、そんなに“ありがとう”を言いたがるんだろう?」
「こっちは自分の仕事をしているだけなのに…」
笑っちゃいますよね。お互いにストレスを感じながら仕事しているのですから…。
そこで今回は、Globalフォースとのこういった問題を解決するための、ちょっとした「コツ」をお教えします。
相手にクレームを言う場合には、主語を「私」にするのです。
例えば、
「あなたの〇〇の態度は、私を苛立たせる/落胆させる/気分が悪い/etc。」
ではなく、
「あなたの〇〇の態度で、私は、XXXXXXという気持ちになる。」
主語を「相手」にすると、相手を攻撃・非難することになってしまいますが、「私」にすることで、こちらの窮状を訴えることにできるため、相手は聞く耳をもってくれるようになります。
ただ、オフィシャルな場ではなく、楽しい会食の場で、心を開いているときにしましょう。
日本の“感謝”の気持ちを伝える文化は、世界に誇れるものです。じんわりと、時間を掛けながらGlobalフォースに浸透させてあげてください。
異文化コミュニケーション研究所(R)
島崎ふみひこ