「評価の見える化」が、高度外国人財の力を解き放った話。
日本企業の中には、優秀な高度外国人財を採用しながらも、思うように力を発揮してもらえていないと感じている経営者や人事担当者が少なくありません。
その原因のひとつが、「評価制度のあいまいさ」です。
ある中堅メーカーのA社でも、同じような課題を抱えていました。
海外大学院を卒業し、高い専門性を持つ外国人社員のダニエルさんを採用したものの、現場ではこんな声が出ていました。
「仕事はできるけれど、どこまで任せていいのかわからない」
「日本人社員と同じ基準で評価してよいのか迷う」
「本人に何を期待しているのか、うまく伝えきれていない」
一方、ダニエルさん自身も不安を感じていました。
成果を出しているつもりでも、何が評価され、何が足りないのかが見えない。
上司との面談でも、抽象的な言葉が多く、自分がこの会社でどう成長していけばよいのか、はっきりとつかめずにいたのです。
このままでは、せっかく採用した高度外国人財が力を発揮できない。
そう危機感を持ったA社は、評価制度の見直しに着手しました。
まず行ったのは、「期待役割」と「評価項目」の明確化です。
例えば、
「専門知識を活かした提案ができているか」
「部署を越えた連携に貢献しているか」
「将来的にリーダー候補として行動できているか」
といったように、求める行動や成果を具体的に言語化しました。
さらに、評価面談では、感覚的な表現を減らし、事実ベースで伝えるようにしました。
「頑張っている」ではなく、
「このプロジェクトで新しい改善案を3件提案し、うち2件が採用された」
というように、評価の根拠を明確にしたのです。
すると、少しずつ変化が起きました。
ダニエルさんは、自分に何を期待されているのかを理解し、仕事への取り組み方がより主体的になりました。
また、上司側も「外国人社員だから特別扱いする」のではなく、「役割に対してどう成果を出したか」で公平に見る意識が高まりました。
その結果、ダニエルさんは新規プロジェクトの中核メンバーとして活躍し、海外取引先との調整でも大きな力を発揮。
1年後には、社内でも信頼される存在となり、後輩社員の育成にも関わるようになりました。
この成功を通じてA社が学んだのは、
高度外国人財に特別な評価制度が必要なのではなく、
誰が見てもわかる、納得感のある評価制度が必要だ
ということでした。
評価があいまいな組織では、本人も実力を発揮しにくく、周囲も適切な期待をかけられません。
しかし、評価が明確になると、本人は安心して挑戦でき、上司や同僚も能力を正しく見極めやすくなります。
高度外国人財の活用において大切なのは、採用することだけではありません。
採用した後に、その力をどう伸ばし、どう組織の成果につなげていくか。
その鍵を握るのが、「公平で見える評価制度」なのです。
《今回のポイント》
・高度外国人財の評価では、「あいまいさ」が大きな障壁になる
・期待役割と評価基準を明確にすることで、本人の主体性が高まる
・公平で納得感のある評価制度は、外国人社員だけでなく組織全体を強くする
異文化コミュニケーション研究所(R)は、「国費外国人留学生の紹介」、「グローバル人財の採用・活用に関するコンサルティング」のスペシャリストです。
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