なぜ彼は、何も言わずに去ったのか ― 高度外国人財の離職理由が見えない組織の盲点 ―
ある日、A社の人事部長は頭を抱えていました。
入社3年目。
国立大学院を修了し、母国ではトップクラスの成績を収めていた優秀な外国人社員・マイケルさん(仮名)が、突然退職願を提出したのです。
理由は「一身上の都合」。
上司も同僚も、「特に問題はなかったはず」と口を揃えました。
評価も悪くない。遅刻もない。日本語も流暢。
それなのに、なぜ――。
■ 本音は、最後まで語られなかった
退職面談でも、彼は多くを語りませんでした。
「とても勉強になりました」
「皆さんに感謝しています」
丁寧で前向きな言葉。しかし、本音は見えない。
数か月後、彼は外資系企業へ転職していることが分かりました。
そこで彼は、こう語っていたそうです。
「前の会社では、自分が何を期待されているのか分からなかった。
評価基準も曖昧で、将来のキャリアパスも見えなかった。」
■ 日本企業にありがちな“察する文化”
日本企業では、
- 明確なジョブディスクリプションがない
- 評価基準が暗黙知になっている
- 本音を直接伝えない文化がある
こうした環境の中で、日本人社員は「空気を読む」ことで適応できます。
しかし、高度外国人財は違います。
彼らは、
- 役割の明確化
- 成果に基づく評価
- 将来のキャリア設計
を重視する傾向が強いのです。
■ 離職理由が“分からない”のではない
本当は、
「分からない」のではなく、
「聞けていない」だけなのかもしれません。
- 定期的な1on1は形式的になっていないか
- キャリアの希望を具体的に聞いているか
- 評価の理由を論理的に説明しているか
これらが曖昧なままだと、優秀な人財ほど静かに去っていきます。
《今回のポイント》
✔ 高度外国人財は「不満があれば言う」とは限らない
✔ 評価・役割・キャリアの明確化が定着の鍵
✔ 離職理由は、退職時ではなく“在職中”に把握する
異文化コミュニケーション研究所(R)は、「国費外国人留学生の紹介」、「グローバル人財の採用・活用に関するコンサルティング」のスペシャリストです。
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