「とりあえず採用」が招いた静かな失敗 ― 高度外国人財採用の“目的不在”という落とし穴
「優秀だから採った」は、本当に正解だったのか?
都内に本社を構える、ある中堅メーカー企業。
海外展開を視野に入れ、「そろそろ外国人材も必要だろう」と考えた経営陣は、国立大学院を修了した優秀な外国人留学生Aさんを採用しました。
Aさんは母国でもトップクラスの大学を卒業し、日本語も堪能。研究実績も申し分ありません。
しかし、入社から半年後。
Aさんはこう言いました。
「私は、何を期待されているのでしょうか?」
配属先では、既存社員と同じルーティン業務。
海外展開のプロジェクトは動いておらず、Aさんの語学力も専門性も活かされていませんでした。
上司は言います。
「優秀だから、どこかで活躍してくれると思っていた」
ここに、大きな落とし穴があります。
採用の「目的」がない組織で起こること
高度外国人財の採用でよくあるのが、
- グローバル化の“象徴”として採用
- 周囲の企業が採用しているから
- 優秀そうだからとりあえず確保
という曖昧な動機です。
しかし、目的が定まらないまま採用すると、
- 職務定義が曖昧になる
- 社内の期待値が共有されない
- 本人も評価基準が分からない
- 結果として早期離職につながる
という負の連鎖が起こります。
Aさんも、1年後に外資系企業へ転職しました。
理由は明確でした。
「ここでは、自分の役割が見えなかった」
本来、問うべきだった3つの質問
採用前に、経営陣が自問すべきだったのは次の3点です。
- なぜ、今、外国人財なのか?
- 3年後、どんな成果を出してほしいのか?
- そのための受け入れ体制は整っているか?
高度外国人財の採用は「人を増やすこと」ではありません。
それは「経営戦略そのもの」です。
“優秀”は、活かしてこそ意味がある
優秀な外国人財が定着しないのは、能力の問題ではありません。
多くの場合、組織側の準備不足です。
目的が明確であれば、
- 本人の役割が具体化する
- 社内の理解が進む
- 評価制度が整う
- キャリアパスが描ける
結果として、企業の変革が始まります。
《今回のポイント》
✔ 高度外国人財採用は「戦略」である
✔ 「なぜ採るのか」を言語化できないまま採用してはいけない
✔ 目的の明確化が、定着と成果を左右する
異文化コミュニケーション研究所(R)は、「国費外国人留学生の紹介」、「グローバル人財の採用・活用に関するコンサルティング」のスペシャリストです。
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