コラム

第49話 アメリカ人は薬好き!

今日は薬に関して紹介したいと思う。

日本では、病院に行くと何かというと薬をたくさんくれる。
風邪で喉が痛いというと、総合感冒薬、解熱剤、ビタミン、抗生物質、イソジン等々、マ~医者を昔は『くすし』といっていたくらいだから、薬を出す人ではあるのだろうが、それにしても大変な数だ。

昔テレビで聞いた話しによれば、薬をこんなにたくさん出す国は、日本ぐらいなものらしい。しかし、一般の日本人が薬好き(何か危ない表現ですね~)というわけではないですよね。

どちらかと言えば、アメリカ人の方が薬は絶対に好きだと思う。

私が留学中に驚いたことの一つは、アメリカのモールには必ずといっていいくらい、かなり巨大なビタミン専門店があるってことだ。最近は日本でも、コンビにでさえビタミン剤が売られるようになってきたが、さすがに専門店の数は少ない。

たぶんアメリカ人ほど、『健康に執着している』国民はいないのではないかと思う。一般の家庭に行って洗面所を借りると、必ずと言っていいほど、そこには数種類のビタミンやカルシュウムの入ったビンが置いてあるくらいだ。

それに、私からするととても不思議なのだが、マルチビタミン(一錠の錠剤に一日で必要なすべてのビタミンやミネラル、カルシュウム等が入っているもの)を一つだけ飲めば済むのでは?と思うのだが、何故か何種類もの錠剤を飲むのが好きなようだ。(f^^;)

マ~、その反面。高カロリーの食生活で、ビヤ樽を体に巻きつけたよううな人達がウロウロしているくらいだから、単に「楽して健康になりたい」という安直な発想なのではないかと疑ってしまう。

体を振ると3分は揺れが止まらないような体の人が、日本では絶対に見れない完璧なまでの「青色」や、「真っ赤」なケーキを平気で口に入れ、うれしそうにゆっくりと噛んでいる様子は、アメリカの象徴だと私は思っている。どう見ても、高血圧に糖尿病で長くは生きられないような人までも、何故か「ビタミン剤」が好きなのだ。

さらに、よく考えて見ると単に「錠剤」が好きなだけかもしれないとも思ってしまう。それも、喉に詰まってしまうのではないかと思うほどの大きな錠剤なのだから、われわれ日本人にとっては水無しでは窒息死してしまいそうだ。なんとも、あれが柔らかくて先が尖っていれば「座薬」そのものだ!(^^;)

日本では家庭にある薬で一番初めに思い浮かべるのは、たぶん「風邪薬」だと思うが、アメリカでは「頭痛薬」が一番初めに浮かぶ。

お国柄なのかもしれないが、不思議な違いだ。

日本では売っていないが、アメリカで頭痛薬といえば『タイラノン』。
私がアメリカにいた頃に、そのタイラノンに毒を入れた輩(やから)がいて大騒ぎになったが、それもそのはず、ほとんどのアメリカの家庭にその薬が常備薬として置かれていたからだ。

私の知っているアメリカ人なんか、「頭が痛いんだ」と言ったとたん、ズボンのポケットに入っているタイラノンのビンを取り出して、処方には、大人は2~3錠と書かれていたにも関わらず、まるでスナック菓子でも食べるように口にほうばって飲み込んでいた。

私が、そんなに飲んで大丈夫か?と尋ねても、本人曰く(いわく)「大丈夫、大丈夫。たくさん飲まないと効かないから。」と平気な顔をしていた。いくら図体がでかいからとはいっても、こっちが不安になってしまう。

映画の「ダイハード3」で、悪役のボスが『頭痛薬(アスピリン)』を手にしてたのを覚えているだろうか?あれも、実はアメリカ人的発想。

頭痛薬をああやって常用する習慣はアメリカでしか見たことがない。基本的にアメリカ人が薬が好きなのを如実に表していると私はあの映画を見て思ってしまった。

ちなみに、映画なんていいかげんなもので、007やその他の映画で日本の女性が男性の体をお風呂場で洗ってあげる場面を見たことがあるが、あれは映画関係者が日本のソープランドで遊んで帰って、勝手に日本人の文化をイメージしたものだと聞いたことがある。

おっと、話しが飛んでしまった。(f^^;)

「郷に入れば郷に従え」とは、こと薬に関して言えば、あんまりマネをしない方がいいと思う。先ほどのタイラノンに並んで有名な頭痛薬にはペネドールというのがあるが、大人2錠服用とあるのを信じてそのまま飲んだらもっと気分が悪くなった…なんて経験は、私を含めて多くの日本人が経験している。だから、できれば必要最低限の薬は留学の際も日本から持っていく方がいい。

最後に、私のいたジョージア州のコロンバスというところは、あのコカコーラ発祥の地だ。ご存知の人も多いと思うが、コカコーラは元々頭痛薬として作られたものだから、偏頭痛がしたときによく大学の友人に、「コカコーラ」を飲め!と言われたのを思い出す。

…しかし、もちろん発売開始当時と成分が違うから、私の経験からすると、ほとんど効かなかった。

ちなみに、最大の成分の違いって知っています?
….(^^;)。コカが入っていないのです。そう、コカとは、コケインの別称。発売当初、コカコーラの中にはコケインが使用されていたのでした。

ちょっと驚きでしょ?(f^^;)

それじゃ!

[2000年9月14日発行]