コラム

第52話  彼女の作り方

2年目最初の発行にしては大変不謹慎なタイトルだが、現地の言葉や習慣をいち早く習得するには、彼女(彼氏)を作ることが一番だと言われるように、親身になって話しができるパートナーがいるのといないのとでは英語の習得の具合が全然ちがうので、この話を参考にして是非チャレンジしてもらいたい。 (^o^)

マ~とは言っても、私の体験は「反面教師」としての参考にしかならないのが、ちょっと恥ずかしいが…..。(^^ゞ ポリポリ
あれは、アメリカ生活も一年ほど過ぎた頃、そろそろ彼女がほしいな~と思っていた頃だ、クラスメートにLisaさん(本名だぞ!)という女性が現れた。スーパーモデル並….とは言わないが、笑顔が素敵な女性で、クラスに入ってくるときに、みんなに向かって”Hi! You’re all.”(多分こう言っていたのだと思う。たしか南部訛りだったはず…(^_^ゞ。)と元気に微笑むのだ。

その言葉が、「ハイヨ~」に聞こえて、マ~とっても可愛かったのだ。

私は彼女と話したくて、何とか近くの席に座ったり(やっていることがほとんど小学生のレベルが….)、とにかく挨拶だけは元気良くしたりと涙ぐましい努力だけはしたのだが、どうしても「一線」が超えられない。

彼女の前に立つと緊張してしまい、頭の中は真っ白、何を話したらいいのか分からなくなってしまうのだ。それでも、何度か話しかけようとトライしたこともあったが、あまりにも英語がへたくそで理解して貰えなかった….。 (+_+)

気持ちばかりが空回りし、時は無情にも過ぎていく。(思い返せば、そんなことを考える暇があったら、勉強すべきだったと反省はするが、…)

しかし、Lisaさんは私の気持ちなどお構いなしに、同じクラスの「熊」のような男と楽しげに話したり、カフェテリアで食事をしたりしている!!
そんな様子を何度か目撃し、このままではあの熊のような奴にLisaさんを取られてしまう!と焦りが出てきた。

数日間考え抜いた末、ここは「日本男児」の意地を見せてやると、意を決し、想いを伝えることにした。

そして、学生ラウンジで彼女が来るのをじっと待った。
(マ~この「待ち伏せ」が日本男児の意地かどうかちょっと怪しいが、でも当時それが私が出来る最高の努力だった。お恥ずかしながら…。)

1時間ほどたった頃、やっと彼女が他の授業を終えて歩いてきた。
珍しくその時はラウンジに他の学生がいない。それに、ラッキーなことに彼女は一人で歩いてきた。

「しめた!一人だ!」このチャンスを逃しては二度とこの最高のシチュエイションは訪れない!!!!!!!!!

私の心臓はもちろん左の胸にあるはずなのだが、そのときは、まるで胸すべてが心臓になってしまったかと思うほど、大きく鼓動していた。そんな気持ちを押さえつつ、今まで座っていたソファーから飛びあがり、私は、彼女の前に飛び出した!

そして、しっかりした「ジャパニーズ英語」で話しかけた。

私  :”Hello, my name is Shimazaki. Can I ask you for date?”
(死ぬような思いで、やっと言いたいことを言った。
このトキメキ、この感動!でも、…)

Lisa:”No, I am busy.”
(ニコニコはしてくれたが、なんともとっても簡単な返事。
でも、俺はめげない!)

私  :”How about this weekend?”
(わかった、俺はいつでもいいんだ、週末ならどうだ!)

Lisa:”No, I am busy.”
(何が、No.だ。そうだな、今週はきっとまだ忙しいかもし
れない、それじゃ….)

私  :”How about next weekend?”
(きっと、来週ならいいだろう?、でも…)

Lisa:”No, I am busy.”
(エッ、どうして~、それじゃいつならいいの?)

私  :”How about next month?”
(さすがの私もこのころには、断れるな~とは思いながらい
ちかばちかで!)

Lisa:”No, I am busy.”
(…………、やっぱり (+_+) )

私  :”Ok, Thank you.”

私はショックだった…..。(;_;)
そのままグラウンドに行って息が切れるまで走った。本当に恥ずかしかったのだ。マジに、しばらくはちょっと落ち込んでしまった。今だから笑って話せるが、お恥ずかしい話、彼女が発した言葉は、”No, I am busy.”だけだったのだから….。

ショックから立ち直ってから私は落ち付いて反省をしてみた。
いったい何が悪かったか?

反省その1)
☆ 突然、自分の名前を切り出したこと。☆
当たり前の話しだが、たとえ悪い感情を抱いていなかったとしても、突然目の前に「名前だけ」を言ってデートに誘ったって”YES”なんて言うわけもない。身構えるのは当たり前だ。少なくとも、相手を和ま
せることが必要だったわけだ。

反省その2)
☆ あまりにも唐突に、デートしたいと話したこと。☆
これも反省その1)と関連することだが、突然恋人になってほしいなんて言ったって、よっぽど相手がこちらのことを好いていたなら別だが、通常はまずは「お友達」からだ。挨拶しか交わしたことがない
人から言われたって、断るのが当たり前。

反省その3)
☆ しつこく迫ったこと。☆
別の機会に再度アタックすることは良いにしても、しつこく迫ってはまずい。始めに断った瞬間は「戸惑い」からだったとしても、しつこく迫れば段々本当に「いやな奴」って気持ちになってしまう。
「忙しいんだ。」と言われても、さらっと流してまたの機会を探す心のゆとりが必要だ。

……..。マ~、どんなに反省してもかいた恥は消えないのだが、何事もめげないことだよね。

ただ私の場合、残念なことにこの反省を次回に有効に使えなかったので実際にこの反省を役立てることが出来なかったのだが、アタックするときには上記のことに気をつけよう。 (^_-)パチッ

さて、これじゃ今回の題の「彼女の作り方」にはならないので、最後にある先輩の留学生から教えてもらったことを紹介したい。

彼いわく、私の失敗は『目当ての女の子に直接アタックしたこと』が敗因なのだそうだ。

やっぱり、人は誰しも好きな人の前では緊張するし、行動がぎこちなくなってしまう。だから、気になる子が出来たら、その『周りから攻めることが得策』だと彼は教えてくれた。

彼の鉄則によれば、、
好きな女の子が出来たら「その友達」とまずは友達になること。…だそうだ。

カフェテリアで一緒に食事をとっている様子を見れば、すぐに誰が友達かは分かるから、その中で気軽に話せそうな明るいタイプの女の子を友達にすることが良いらしい。

もちろんその子は意中の子ではないから、気軽に話せる。その子と仲良くなったら、別の機会にその子から自分のことを紹介してもらうのがいいそうだ。

すると、何気なく友達の輪の中に入ることができるから、後は徐々に彼女にアプローチしていくと成功率が高いとか?!?

なるほど~!….そう思いません?
彼女をゲットしようとしている人、是非試してみてくださいね。

ただここで忠告が一つ。
この方法の場合、こちらにその気がなくても、その目的の子ではなく、始めに話し掛けた女の子が君のことを好きになってしまう可能性があるから、下手すると、本来狙っていた子ではない子が彼女になってしまうかもしれないってこと。マ~それでも彼女をゲットしたことには変わりないので、それは
それで十分かもしれないが….。 (~-~;)

それにしても読み返してみると、本当にどうしようもないよね、私のアタック。My name is ….だって! オ~恥ずかしい!! (^^;)

それじゃ!

[2000年10月5日発行]