コラム

14.予算オーバー!《2020年》

14.予算オーバー!

一般的に日本企業は、従業員を大事にします。従業員の能力のありなしに関わらず、家族的に大切にする文化があります。

そのため、できる人からすると「なんでもっと私のことを評価してくれないんだ!」という気持ちになりがちです。

特に優秀でやる気のある高度外国人財の場合、自分の時間を割いて、それこそ移動中の狭い飛行機の中で資料を作成したり、まさに「寝る間も惜しんで」仕事をしたりするため、ビジネスクラスを使うことで「部の旅費予算」の枠を超えたとしても、それよりも重要なことだ!という(正当な)理由を持っています。

重要な商談を前にして、経費削減の号令の元、一律予算カット的なことに対して彼らは怒りさえ覚えます。

さて、どちらの考えを優先したらよいのでしょう?

このような場合、日本的には「例外(特例)事項」を作って対処する傾向がありますが、その考え方を改めることをお勧めします。例外(特例)が出来てしまう理由は、『誰かが決めた』予算という枠組みを絶対視しすぎるところから来ています。

つまり、高度外国人財のスタッフも『当事者』として予算決定に参加させるようにすれば、それに従うのも『当事者として』そして改定をするのも『当事者として』行うため、強引な後付けの決め事にならずにすみます。

これができるためには、収支の責任を、それぞれの部署・人に持たせる必要があります。

上手な植木屋さんのように、一律に伸びた枝を切るのではなく、一本、一本枝を見ながら剪定をすることが経営に求められるスキルとなります。

元気でやる気のある、有能な高度外国人財のモチベーションを削ぐことのないようにしてください。