コラム

26.笑わない男《2022》

私たちは、職場を「仲間の集まる場所」という意識を持っています。初めは知らない人であっても、一緒の場所で仕事をしていれば仲良くなるのは当然ですし、家族的に仕事をするのが日本企業の良さでもあります。

しかし、そうでない国もたくさんあります。特に個室やパーテーションで仕切られた職場の場合、一人一人のミッションをこなすのが仕事で、他の人がどうであろうが、仕事中は知ったことではない。そうなってくると、仲間なのか、競争相手なのかわからなくなります。ある意味、顔で笑っていても腹の中が読めない「仲間?」だったりしています。

また、与えられた仕事を黙々とこなすことが、何よりも重要で、愛想を振りまく、冗談を言う、といった社会性を全く感じられない人たちも文化的な背景であったりします。気を付けなくてはいけないのは、結婚をしている女性に対して、口説くつもりがなくても、談笑しているだけで、大きな誤解を招くところもあるくらいです。

とはいっても、ここは日本ですから、極端に気にすることはないのですが、そういう世界もあるということは知っておくことは役に立ちます。

相手に悪気がないのであれば、不愛想であっても、仁王像が目の前に立っているというくらいの気持ちでいれば平然といられるものです。それよりも、どんな成果を求めるのか、誰かと協力をして達成させるのか、一人でやる仕事なのかを明確に伝えて、それに向けて最善の努力をするように指示をすることが大切です。

結果に対して、正当に評価をする。改善すべきところをアドバイスを含めて伝えて、新たなチャンスを与える。その繰り返しをしていくだけで、気が付いてみると、その人のご家庭に招かれていたりするものです。

知っていましたか?仁王像は、私たちを悪霊や邪気から守っているのですよ。(笑)