コラム

29.本当に準備ができていますか?《2022》

人材も企業にとっては事業を行うための「リソース」です。
しかし、製品を作る際の部品とは異なります。

発展途上国からすれば、日本での収入は驚くほど高い。それを夢見て、日本語を勉強し、一生懸命日本の文化に馴染もうと努力してきた人たちはとても純粋です。かつての日本も同様でした。1960年代の日本の総理大臣の給与は当時の国連職員の給与よりも低かったくらいですから、国力の差は、国民の生活にダイレクトに影響するのでしょう。

どんなに過酷な状況で働かされても、母国に帰るよりはマシだと彼らは考えています。ですから、必死に働くことでしょう。しかし、雇用する側が彼らを使い捨てできる人材であると認識していたとするのなら、事業環境が変化した際に大変な悲劇を生みます。

安い使い捨てできる労働力

日本人にとっても再就職は楽なものではありません。ましてや外国人にとってはとても高いハードルになります。ですから、仮に雇用調整をせざる得ない状況が訪れることがあったにしても、今までの仲間が、その家族が路頭に迷わないように、彼らのスキルアップや心のケアーに力を注いであげてください。

遠方から来てくれた家族

そんな気持ちで一緒に仕事をしていれば、言葉や文化の壁を越えてより良い関係が築かれていくことでしょう。日本は外国人と呼ばれた人たちと共存共栄の時代に入りつつあります。安易に海外から連れて来たことで在来種を脅かす「外来種」の扱いのようにならないようにしなくてはなりません。