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はったり

故青島東京都知事の話をテレビで聴いたことがあります。

彼は転校生だったことがあったらしく、転校先でいじめられたそうです。

でも、彼はそのいじめっ子を拳で撃退したところ、それから学校では彼の天下だったと話していました。

喧嘩が強い方が良いということではないのですが、「はったり」は必要だと思います。

どんなに喧嘩が強い人でも、殴られれば痛いのです。負けるかもしれないのです。ですから、心の中では武力行使を何がなんでもしたいとは思っていないものです。ただ、相手を従わせたいだけです。

ですから、そこで「はったり」が重要になります。

擬態のようなもので、相手が怖がって逃げてくれれば、戦いに勝つ必要はないからです。

聖徳太子が、遣隋使を派遣した際、

日出ずる処の天子、書を日没する処の天子に致す。恙無しや、云々…

と書いて、「日出る処の」は上り調子の国から、「日没する処」は落ち目の国に対して対等な立場で外交を求めたというのは、本当にすごいものです。

煬帝が激怒しましたが、挙兵はしなかった。聖徳太子の勝ちです。

もしも、完全に跪いてしまえば、国力の差から、即座に属国にさせられてしまったことでしょう。

持統天皇が何十年も掛けて「日本書紀」を編纂させ、単なる民話的だった「古事記」から、優れた統治能力のある国家であることを示したのは、「はったり」そのものだと思います。

誰しも、面倒な相手よりも、屈し易い相手から手を付けるものです。

どんな敵に対しても、どんな困難に直面しても、気負けしてはいけない。

島崎ふみひこ

異文化コミュニケーション研究所(R)

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