異文化コミュニケーション的交渉術(極意その1)
交渉をする際に重要なことは、背景の分析を行うのと同時に、相手の立場を
想像し戦略を練ることが重要です。
たとえば、町内会の「もめごと」をお役所に相談しに行くことを想像してく
ださい。
役人のスタンスは「事なかれ」ですので、彼らに意見を求めてもダメです。
ましてや、彼らに仲裁や裁定をお願いしても、絶対にやりません。彼らは何
の責任も負えない立場だからです。
町会における課題を論っても、法律違反の犯罪行為でない限り「皆さんで、
良くお話下さい」としか彼らは『立場上』言えません。
ただそんな彼らを利用する手はあります。
質問の仕方を
「私たちの意見は正しいですか?」ではなく
「私たちの意見は誤りですか?」と聞けばよいのです。
彼らは絶対に断定的な発言はしませんから、それを逆手にとって町会での会
合で
「役所に確認をしたが、私たちの意見が誤りであるとは言わなかった」
と主張すればよいのです。言葉の綾ですが、役所は正しいとは言っていなか
ったにしても、この発言を聞いた多くの人たちは、
「役所も賛成しているんだ!」と勘違いします。
その風が吹いた時点で、だから「冷静に議論しましょう」と持っていけば、
町会全体の意見をまとめる主導権を握れます。
私がここで伝えたいことは、誰にでも「立場」があることを理解し、その人
から得られる最大限の情報が何かを徹底的に考え、それに導くストーリーを
準備し、その果実を得ること。そして、交渉で活用するということです。
会合で意見を通すためには「風」が必要です。通常は、2割が賛成、2割が反
対、残りの6割がその場の「風」に乗ります。ですから会合では、その「風」
を吹かせる準備が重要なのです。
異文化コミュニケーション研究所(R)
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