異文化コミュニケーション的交渉術(プライオリティ)
交渉を行う際、争点が一つだけとプライオリティを考える必要はありません
が、いくつかの交渉事がある場合、プライオリティ戦略を練る必要がありま
す。
重要なものから片付けるか、またはプライオリティが低いものから片付ける
かです。
時間を操るでご説明していますが、人は緊張(集中)できる時間が限られてい
ます。また疲れてくると、早く終わらせること自体が「プライオリティ」に
なってしまうため、譲歩を引き出しやすかったりしますが、その一方で戦略
を誤ると、ドツボにはまってします。
なぜか交渉(会議)では、重要なことを後回しにする傾向があります。
それは私たちの中に、「面倒なものは後回し」したいという気持ちがあるか
らです。重要案件でデッドヒートしてしまうと、他の案件にまで時間が取れ
なくなることを懸念して『後回し』しまいがちですが、どんな小さな案件で
あっても意外に時間が掛かるのが交渉事ですから、重要な案件を一番最後に
すると、結果的に十分に議論することができず、良く分からない「〇〇幹事
長に一任」だったり、「先送り」だったり、「別途委員会を作って検討」と
いった方向になっていくのが日本の交渉(会議)の傾向です。
ですから、こちらにとってその方が良い場合を除き、相手が何と言おうとプ
ライオリティの高い順から交渉をすることです。そして必ず、合意という結
論にまで一気に持っていく機動力が重要です。
戦(いくさ)と同じように、相手は負けそうになると和議を持ち掛け『一次撤
退』に持ち込もうとします。こちらが優位な場合「相手がそこまで譲歩する
のなら…」と気を許し承諾してしまいがちですが、その結果、禍根を残すの
が常です。勢力を取り戻した相手が、次回こちらが不利な状況で同じような
温情をしてくれるとは思わないことです。注意しましょう。
島崎ふみひこ
異文化コミュニケーション研究所(R)
https://www.globalforce.link/
日本企業のダイバーシティ教育、高度外国人財の採用・活用