「なぜ、あの優秀な外国人社員は辞めてしまったのか?」
― “叱り方”の違いが生んだ、見えない溝 ―
ある中堅メーカーの話です。
初めて採用した高度外国人財。
母国ではトップ大学を卒業し、日本語も堪能。
面接時の受け答えも的確で、役員全員が期待していました。
入社後、彼は積極的に意見を出し、改善提案も行いました。
しかし、ある日を境に発言が減り、数か月後に退職してしまったのです。
理由は何だったのでしょうか。
■ 公開の場での「叱責」
きっかけは会議でした。
日本人の上司は、報告内容に不備があった彼に対し、
会議の場でこう言いました。
「なぜ、こんな基本的なことができないんですか?」
上司にとっては、
「育成のための注意」
「他の社員にも共有すべき指摘」
という意図でした。
しかし、彼にとっては違いました。
それは、
人格を否定されたような体験だったのです。
■ 文化の違いが生む“叱責”の受け止め方
国や文化によって、叱り方の常識は大きく異なります。
・人前での注意は「恥をかかせる行為」と捉える文化
・論理的な説明がなければ納得できない文化
・上下関係よりも対等な対話を重視する文化
日本企業では「察する文化」「暗黙の了解」が前提になることも少なくありません。
しかし高度外国人財にとって、それは「分からないルール」なのです。
■ 本当の問題は“叱ったこと”ではない
問題は叱ったことではありません。
問題は、
相手の価値観や文化的背景を理解せずに叱ったことです。
もし、会議後に個別面談を設け、
・何が問題だったのか
・なぜ重要なのか
・次回どうすれば良いのか
を論理的に説明していたら、結果は違っていたかもしれません。
■ 優秀な人財ほど「納得」を求める
高度外国人財は、自らのキャリアを戦略的に考えています。
納得できない環境であれば、
次のステージへ進む決断も早いのです。
「なぜ辞めたのか分からない」
その背景には、
叱り方一つのミスマッチがあるかもしれません。
《今回のポイント》
✔ 叱ること自体は問題ではない
✔ 公開の場での叱責は文化的リスクがある
✔ 論理的説明と対話が信頼を生む
✔ 叱り方は“マネジメント力”そのものである
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