その“優秀”は本物ですか? ― 採用基準の誤りが招いた静かな失敗
TOEIC900点、難関大学卒。それで十分だと思っていた。
東京の中堅IT企業。
初めて高度外国人財の採用に踏み切ったのは、海外展開を視野に入れたからでした。
採用したFさんは、
・海外トップ大学院修了
・TOEIC 920点
・日本語N1
・インターン経験も豊富
「これは間違いない人材だ」
経営陣も人事も、そう確信していました。
しかし――
1年後、彼は退職しました。
何が問題だったのか?
業務能力は高い。
資料作成も早い。
英語対応も完璧。
それでも、現場からはこう言われ始めました。
「なんとなくチームに馴染まない」
「指示待ちに見える」
「主体性が弱いのでは?」
一方、Fさんはこう感じていました。
「自分の役割が曖昧」
「何を期待されているのか分からない」
「意見を言っていい空気なのか分からない」
問題は能力ではありませんでした。
採用基準が“スペック偏重”だった
企業が見ていたのは、
✔ 学歴
✔ 語学力
✔ 表面的な実績
しかし見ていなかったのは、
✔ どの役割に配置するのか
✔ どんな成果を3年で求めるのか
✔ 組織文化との接続設計
✔ 上司との相性・マネジメント適性
つまり、
「自社で活躍する条件」
を定義していなかったのです。
採用は“優秀さ”ではなく“適合”で決まる
高度外国人財の採用で最も多い誤解は、
「優秀なら活躍する」
という思い込みです。
しかし現実は違います。
活躍するかどうかは、
能力 × 役割明確性 × 組織準備
で決まります。
どれか一つが欠けても、機能しません。
退職時、彼が残した言葉
「私は、この会社で何になる人間だったのでしょうか?」
この一言が、経営陣に突き刺さりました。
採用基準とは、
単なる選抜条件ではありません。
それは、
会社が“何を求めている組織か”の宣言
です。
《今回のポイント》
✔ スペック採用は失敗リスクが高い
✔ 自社で活躍する条件を言語化せよ
✔ 採用基準は経営戦略そのもの
異文化コミュニケーション研究所(R)は、「国費外国人留学生の紹介」、「グローバル人財の採用・活用に関するコンサルティング」のスペシャリストです。