コラム

第66話 おいしいご飯の炊き方

私の知り合いのかわいい女性が、3月からイギリスへ留学へ行きます。
英語の勉強だけでなく、是非、有意義なそして思い出に残る留学をしてもらえればと思っています。

それで、今回は私が留学中に考案した、電気釜がなくてもおいしくご飯を炊く方法を、本邦初公開にて皆さんにもご紹介したいと思います。

是非、是非、お試しあれ!!(^^)

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最近は、日本食もポピュラーになって世界中どこでも食べられるようになったのはありがたい。しかし、他の料理と比べるとちょっと高いのが玉に傷だ。自費留学で貧乏な学生はめったに食べられない。

そうなると、日本では自炊なんてやったことがない君でも、必然的に自分で料理をしたくなる。そして、思い出すんだよね『おふくろの味』。

生卵をアツアツご飯にかけて、醤油をぶっ掛けるだけでも、ホッとするのは、やっぱり日本人だからだろう。

さて、それではメモのご用意を!(プリンターで出力してもいいか(^^;))

料理をするのに最低限必要なのは、鍋。
料理にも使えるし(当たり前か)、そのままどんぶり代わりにもなるから、インスタントラーメンを作って食べる分にはこれ一つですべて足りる。

でも、やっぱり日本人はご飯が食べたい。銀シャリだ!
日本ではどこの家庭でも当たり前のように炊飯器があるが、そこは貧乏留学生、そんなものがなくても「美味しく」ご飯が作れる極意をここでは教えてあげたい。

アメリカやイギリスのレンジはガスよりも電気が多い。だから、火力が必要な中華料理なんかはちょっと難しいが、てんぷらのように温度を一定に保つ料理には使いやすい。

ちなみに、ご飯を炊く際に、よく「はじめ、チョロチョロ。なか、パッパ。」なんて、「飯盒(はんごう)」でのご飯の炊き方を想像する人が多いとは思うが、実はこの方法は、この電気のコンロでは難しい。

焦げ付いてしまう確率が非常に高いのだ。(経験談)

「ご飯のおこげって美味しい」なんて思っている人もいるかもしれないが、スーパーで売っている安物の薄い鍋を使って料理すると、おこげを通り越して、「炭素」になってしまうから、食えたもんじゃない。(^^;)

くれぐれも、炭素にだけはしないようにしたほうがいい。(f^^;)

さて、それではお米の選び方だ。

独り者の場合、もちろん2kgの小さなカリフォルニア米を購入すること。国宝とか、いろいろなブランドがあるが、あんまり差はないから、安いのを買っても問題はない。

しかし、安すぎるのは用心が必要だ。
売れていない店だと、平気で「年代もの」を売っているからね。

次には、お米の研ぎ方だ。

何故かアメリカのお米は「ぬか臭い」傾向にある。
だから、ちょっとした工夫が必要だ。

まず、鍋にお米を入れる。分量はちょっと一回で食べるのには多いけど半分くらいがベスト。そして、水をたっぷり入れて、ゴシゴシとほんの5秒ほど洗う。そして、水をすべて捨てる。

その後は、水を入れないでお米を軽く研ぐ。
数十秒研いだ後、また水を沢山入れてかき混ぜる(このときは、ゴシゴシとしないこと、優しくかき混ぜる程度)。

後は水が透明になるまで、研がずに何度も水を取り替えれば一応下準備は完了。

ここでのポイントは、5秒間のゴシゴシ。
ぬか臭いのは、ぬかがお米に沢山ついてるからで、それを先に取り除いてからでないと、どんなに一生懸命洗ったつもりでも、その「ぬか」がお米にこびり付いてしまうから、忘れずに!

(実は、これは以前何気なく見た料理番組を見て覚えた「技」。)

そして、今度は水を入れる番。

水の量は経験が必要だが、大体の目分量で決めても大丈夫。
基本は、人差し指をお米の上につけて、第一関節と第二関節との間くらいで、「普通」の固さになる。それ以上だと「柔らかめ」だと考えていればいいだろう。

ただ、こればかりは何度か試してみないと好みの固さにならないから、何度か経験を積み重ねてくれ。

水を入れた後、時間があるなら数時間「寝かす」といい。
マ~、時間がないならそんなに時間のことを気にしなくてもいいが、ちょっと古めのお米なんかを使う場合には、この「寝かす」時間が非常に重要になるから、一応覚えておこう。

そして、ここで決め手の「サラダオイル」と「お塩」。
ご飯の量によるが、数滴のサラダオイルと、指先でちょっと摘んだ程度の塩を炊く前に入れよう。これで、見た目の「つや」と、ご飯の「しまり」がでるからね。

但し、くれぐれも入れ過ぎないように。

さてさて、ここからが本番のご飯の炊き方。

始めての電気コンロ、しかし、使ったことがないからといって心配する必要はない。コツさえ覚えればガスよりも使いやすいくらいだ。

それから、鍋の購入で一言忘れたことがあるのだが、絶対に「ふた付き」の鍋を購入しよう。お米を炊くときにふたがないと、代用品を探さなくてはいけないから、お忘れなく。

これできちんとお米も研いたし、水加減もOK。
魔法のお塩とサラダオイルを振り掛けたから準備万端。

でも最後に、炊き方を失敗するとすべて水の泡。しっかり、最後まで極意を習得しよう。

…っと、言っても大したことはないんだ。(^^;)

火加減を最大にしないことだけ。

ご飯を火(電気コンロ)に掛ける時には、水が沸騰する前なら、最高にしていてもいいが、一度「噴いたら」焦げ付く確率が大きくなってしまう。(多分、余熱がコンロに残るからだと思う)

だから、私からのアドバイスは、中火で、「グラグラ」でなく、「グツグツ」をめざせだ。

中火で、グツグツといいはじめたら、即座に弱火にまで落とす。そして、時折ちょっと鍋のふたを開け、中の水がなくなったかどうか様子を見る。

ふたを明けすぎてしまうと、炊きが遅くなるし味が落ちるから、ちょっとだけ覗いてみるといい。

そして、水がお米の上になくなって、ツヤツヤ感があったら、「ハイ、できあがり!」。火を止めて、コンロの上に置いたまま10分ほどそのままにしておこう。余熱で仕上げ完了だ!

これで最高のご飯が食べれる! しっかり味わおう。
なんといっても、自然の恵みだからね。

さて、最後に自炊の極意、パート2だ。

鍋に半分のご飯を炊くと、よっぽどの大食いでなければ、絶対にあまってしまう。だから、先のことを考えてご飯は計画的に食べるのがベスト。

…計画的っていうのは、ご飯取り方。

私の場合、三分の一主義だったのだが、まず、炊きたての美味しいご飯を茶碗(お皿)にのせて、しっかり日本人である喜びを堪能する。

そのために、包丁で鍋の中をケーキを切るように「三分の一」に切る。美味しく頂いた後は、大きな冷蔵庫の中にふたをしっかり閉めて保存しておこう。

そして、翌日にその冷蔵庫の中からおもむろに昨日炊いたご飯の鍋を取り出して、残った三分の二の半分(つまり鍋の三分の一)を皿にあけて、ラップを掛けて冷蔵庫にしまう。

もちろん、この段階で三分の一のご飯が鍋の中に残っているから、それをほぐして、野菜にソーセージ、塩、コショウ、御醤油を入れて、自家製チャーハンを作る。

この時点で食べ終わったら鍋は一度きれいに洗おう。

そして、さらにその翌日は冷蔵庫に残った残り三分の一のご飯を、鍋に移し換え、コップ2~3杯の水を足し、「雑炊」を作ったり、「おかゆ」を作ったりして食べるんだ。

これで、一度ご飯を炊くと三回に分けてご飯が食べれることになる。それも、バラエティーが付けられるから、不精な君にもなんとかやっていけるわけだ。ハハハ!

食は文化だからね。自炊頑張ってくれ!

それじゃ!

[2001年2月15日発行]