コラム

17.いつの間にか離れた心《2022》

優秀で能力のある外国人従業員にイキイキと仕事をさせるには、メリハリが重要です。

そこで重要になるのが、ご褒美です。

日本人の場合にはご褒美というと、嬉しいけど恥ずかしいといった感情が先に出たり将来への不安感が出るため、取り扱いは微妙ですが、外国人の場合には全く異なります。

ご褒美として、お金を渡したとしましょう。

アジア系の人たちの傾向は、周りを気にします。そのため、大ぴらに嬉しさを表に出しません。周りから端を引っ張られるといった負の事態が発生することが多いからです。また残念ですが一定の割合で、ご褒美を獲得するために、小癪な手段を講じる人も出たりします。

欧米系の人たちの傾向は、自分への正しい評価に対して誇りを持ち、当然の如く、ご褒美を喜んで受け取ります。周りの人たちも、意外に喜んでくれたりします。その理由は組織に帰属している感があまりなく、個が確立しているからだと思います。そして、次のご褒美を期待します。

しかし当研究所では、お金のご褒美は推奨しません。

一番良いのは、「ご褒美休暇」です。お金は気を付けてください。ある人にとっては「こんな少額?ケチな会社」という気持ちにさえしてしまうからです。

なぜ居場所を感じない外国人の相談に対してこのようなご褒美の話を書いたかと言うと、優秀な外国人の場合には、常に明確な課題を提示し、それを定期的に評価し、成果が出たものについてはご褒美をあげるという循環が必要だからです。

日本の企業は、会社と従業員が一体化しているため、仮に仕事がない時期があっても、自分の存在意義を考える必要はありません。ところが、外国人の場合には、自分の存在意義を見失うと、不安になるのです。

とは言っても、メリハリを持って仕事をさせないと、これはこれでやる気を失わせることになることを忘れないようにしてください。半年に一度のボーナスで評価している…と思っていたとしても、それが外国人に満足できるレベルかどうか分かりません。

そのため、他の人から見ても羨ましく感じ、評価を受けることへの自尊心も満たされ、次の課題に臨むモチベーションをアップさせるご褒美休暇はとても良いメリハリとなります。

外国人従業員にイキイキと仕事をしてもらうには、課題と課題の間のご褒美は大切なのです。