リバースエンジニアリング
私は「流行り言葉」というものをあまり好かないのですが、どうも世界はその「流行り言葉」を語る人が、最先端で、リーダーで、物事が分かっているスペシャリストであるかのように取る傾向があるようです。
なぜ私が「流行り言葉」を好かないかというと、知的レベルの高い人達の「アイドル」のように感じるからです。つまり、流行が過ぎれば忘れ去られる。
「そういえば、この時代はこの言葉が流行っていたよな~」と言う言葉を、一つや二つ皆さんも頭に浮かべることができるのではないでしょうか。
そのときには「未来はこの言葉で象徴される」的な扱いをし、セミナーや勉強会、そしてさまざまな本が出版され、テレビやラジオでもその言葉を知らないと「時代遅れ」かのように扱う…。
今は、DXや、AIや、IoT等々、私たちは懲りないものです。
結局、大衆がなびくような言葉など、単なるちょっとした熱病「流行り病」のようなものなのかもしれません。(脳が興奮するのでしょうね。)
さて、その古い言葉の一つに「リバースエンジニアリング」というものがありました。覚えていますか?
先進国の技術を、発展途上国に活用していくという今までの方法から、逆に、発展途上国で生まれた課題解決のノウハウを先進国に展開していくというものです。(かなり失礼な物言いとも感じますが…)インターネットが世界中に展開される前のビジネス用語です。
今では情報という視点だけから見れば、先進国も、発展途上国も差がなくなっているため、もう古い概念のように感じてしまいがちですが、この「リバース」という言葉を「エリア」という言葉に替えれば、今でも価値のある考え方のような気がします。
どんなに情報が均等化されても、生活する地域によって、その視点や考え方は全く異なり、その全く異なったダイバーシティ視点は、新たな発想に繋がるからです。
エリアという視点で物事を見てみると、新たな、そして社会的な革新や、ビジネスチャンスが多く生まれてくるような気がします。赤道直下に住んでいる人が、ツンドラ地帯で生活をしてみる。海の近くに住んでいる人が、山奥で生活してみる。外国で生活してみる。そうすることで、多くの気付きが生まれるに違いありません。
つまり、「その場」で生活してみなければ分からないものです。体験が重要になります。
異文化コミュニケーション研究所(R)が優秀な外国人留学生の採用を、日本企業に強く勧める最大の理由は、優秀な頭脳、知恵、そして「現地」での体験を持っていること、さらに「日本」との差を知っている点です。
エリア・エンジニアリング…是非お考え下さい。
(あ、流行り言葉になってしまいますかね~これも…(f^^;))